09/11/2019
旅の空にいても…ついついレースのことが気になりTJVのサイトを開いてしまう…。それは仕方がない…私もまだそこにいるはずだったのだから…。
もうMULTI50は残った3艇中2艇フィニッシュし、IMOCA60はトップ艇のAPIVIAが残り300マイルまできているようだ。
そしてCLASS40のトップ艇はロリアンで隣のポンツーンだったCRÉDIT MUTUELで、2位以下を50マイル離して残り1500マイルほどの地点で快走を続けている。スキッパーのイアン•リピンスキーはミニ6.5のキャリアを全て優勝してきたツワモノだ。そして、イヴとルノーの兄弟が乗るA CHACUN SON EVERESTは14位で頑張っている……。
そんなレースの中で、ヨットの”てくのろじぃ “について考えさせられるニュースが入った。それはIMOCA60の有力チームとして、その斬新なヨットが注目を集めていたHUGO BOSSのリタイアである。もう数日前になるが、未確認の物体に衝突してキールを破損し制御不能となり、内部からキールを切断したという。当然転覆の恐れが出たため、ウォーターバラストタンクを満タンにしてなんとかバランスを保ちながら、最寄りの島に無事着岸したらしい…。
未確認の物体…ということなので何にどのようにしてぶつかったかは不明だが、HUGO BOSSはデッキに人間が不要のスタイルで、両舷にカメラが1台ずつ付きマストからもカメラか前方の海とセイルトリムを”監視 “しながら走っていたはずである。それにしても…闇夜でない限り、物体が海面下にない限り、人間がデッキにいれば(モチロン眠らずに…)防ぐことが出来たのではないか…と思うのである。なんか、おかしな方向に物事が向かう時に立ち止まらせる出来事ではないかと感じるのだが……。
また、思い出すのは数年前のボルボオーシャンレースにおいて、電子チャートの拡大と縮小の尺度と距離感覚を誤って見逃すはずのない暗礁に激突した事故だ。これもトップ争いをしていたチームの出来ごとである。
今や、紙の海図など安全備品として積み込むのみで、チャートテーブルも鉛筆も定規もデバイダーもほとんどお目にかからない。それよりも予備のパソコン、予備の電源、予備の衛星電話である…。
沿岸を走る外洋レースでは、乗っているクルー 皆のポケットにはスマホが入っていて電子チャートやナビゲーションソフトがダウンロードされている。ナビゲーターがキャビンでパソコンとにらめっこしてる間にデッキの上でにわかナビゲーターたちがああでもない、こうでもないと言っている。
もう、” 外部との通信の制限”などあってないようなものになりつつある。レース後に艇上の通信機器全ての発信履歴をチェックしなければならなくなるから、逆にその制限を止めるという方向に向かっている。お金持ちなら、衛星回線をバンバン使ってありとあらゆる情報を集めてレースができちゃうわけだ……。
そして、ナビゲーションソフトに気象データとヨットのパフォーマンスデータを入力すれば、10日以上先までの「アナタノヨットノススムベキミチハコンナカンジ」とささっと線を引いてくれて、おまけに到達予定時刻まで教えてくれる…。
今回のKIHO においては、「コノママイケバ、アナタタチハタイムリミットニカカリマスヨ!」と言ってくれたわけである…。
しかしながら、多くの有名無名に関わらず、優れたセイラーたちはこれらの”てくのろじぃ”の進化に対して、使い方を誤ることはないと信じている。私がこれまで一緒に乗ったことのある優れたセイラーたちは皆(ナビゲーターも含めて!)、デッキの上で多くの時間を過ごし、自分の感覚を大切にして、ヨットを帆走らせていた。私は人間の感覚に勝る”てくのろじぃ”などあり得ない信じてといるし……、あたり前田のクラッカーだか…technology は人間のほうが使うものでなければならないはずである……。
もう人間がヨットに乗らずに遠隔操作でレースが行われる時代が来たら…と思うとゾッとするし、私が生きているうちにはそこまではいかないだろう、と高を括っているのだが………。
気温5度の…Kyle of Lochalsh 於
次はDaff town...,GlenFiddich を目指して……。