Pasania - パセミヤ

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Japanese natural wine / Spice / Okonomiyaki
日本のナチュラルワイン × 南インド風スパイス料理 × お好み焼き|大阪・中之島|事前予約制(16席)|1965年創業.平日17時~、土日祝15時〜、22時最終入店、不定休。先の日程のご予約はスパイスセットの方のみお受けしております。ワインとお好み焼きのみの場合は当日お電話にて。ご予約はプロフィールのリンクから パセミヤ10/1(金)より営業再開します。
ご予約につきましては、電話もしくはパセミヤのFacebookページのメッセージにてお受けいたします。

営業時間 17時から21時(ラストオーダー20時)
不定休
ご予約は4名様まで(同居家族は除く)

料理をご希望の場合、従来のコースではなく、スパイスセット(前菜盛り合わせ+煮込み料理)お一人様¥2,800のご用意となります。当日のお問い合わせでもスパイスセットは提供できる場合がございます。

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一杯のワインに、いくつの「生命」があるのか——vin vivantという言葉の弾性ワイン語りのレトリック 第8回【生きている、でも安定している】「このワインは生きている。」ワインを飲んでいると、ときどきそんな言葉を聞きます。開けた直後には閉...
05/09/2026

一杯のワインに、いくつの「生命」があるのか

——vin vivantという言葉の弾性

ワイン語りのレトリック 第8回

【生きている、でも安定している】

「このワインは生きている。」

ワインを飲んでいると、ときどきそんな言葉を聞きます。

開けた直後には閉じていた香りが少しずつ現れてきた。グラスのなかで温度が上がるにつれて、果実が消えて別の香りが出てきた。さっきより酸が馴染んでいる。口に含んでから味が動いていく。一杯目と二杯目で印象が違う。

そんなときに「生きている」と言うことがあります。

前回扱った energy や tension と同じように、これは桃やスミレのように特定の香りを指す言葉ではありません。それでも、ワインについて使われると、なんとなく意味が通じる。

ところが、「生きている」という言葉を少し追いかけてみると、グラスの中から思いがけないほど遠くまで出ていきます。酵母や細菌、発酵、葡萄樹、土へと進み、そこからテロワール、農法、醸造技術へ、さらに人がどこまで介入すべきなのかという問題や、標準化、衛生、自然との付き合い方へと広がり、ときには月や宇宙の「エネルギー」にまで伸びていきます。

二〇〇五年三月、フランスのワイン愛好家フォーラムLa Passion du Vinでは、亜硫酸、培養酵母、酵素、酸化と還元、熟成、鮮度、ワインの変化と安定性について長いやり取りが続いていました。

そのなかでPhilippe Barretという参加者が、

vins « vivants » mais stables

「生きている、しかし安定したワイン」と書き、その後、Renéと署名した投稿が、

Vive le vin, vive la vie, vive le vin vivant.

と応じました。生きているのに、安定している。少し妙な言い方です。[1]

生きているというのが変化することなら、安定するとはどういうことなのでしょう。逆に、安定していることが変化を止めることなら、何を止めたときにワインは「死ぬ」のでしょう。

この言い方を手掛かりに文献や造り手の言葉をたどると、いくつもの仕事が見えてきます。土に穴を掘り、葡萄を噛み、顕微鏡をのぞき、糖度を測る。牛の角に詰めた調合剤を使い、発酵槽へ耳を近づけ、ワインを加熱し、Brettanomycesを取り除く。月の位置を見ながら、何年も瓶を待つこともある。それぞれの場所で、「生命」は同じ顔をしていません。

何が生きているのかだけでなく、それを生かすために何をし、その結果をどう確かめているのか。その違いをたどることで、Living W**e / Vin Vivantという言葉の働きも、少しずつ見えてくるのではないかと思います。

* * *

【「生きたもの」と呼ぶことの来歴】

ワインを「生きたもの」あるいは「生きた産物」として語ることを、近年のナチュラルワイン運動が初めて作り出した、と考えることはできません。

スペインの薬学者Lucio Bascuñana y Garcíaは、一九三三年の講演で、ワインを生まれ、成熟し、やがて衰える生きた有機体として説明していました。Pablo Alonso Gonzálezの歴史研究が引用するこの講演では、選抜酵母や亜硫酸などを使う製法と、果汁の自然発酵を対置し、前者を「人工のワイン」、後者を「自然のワイン」と呼んでいます。[2]

直接の対立語は「自然/人工」ですが、その区別には、ワインの生命をどう理解するかが関わっています。どのようにワインができるのかという説明が、どの造り方を自然と認めるのかという判断にもなっているのです。

ただし、この生命観にはカトリック的な自然理解や伝統擁護の立場があり、現在の自然派ワインの思想をそのまま遡らせることはできません。また、Bascuñanaは科学の関与を全面的に退けたわけでもなく、伝統的な実践を科学によって調べ、整える役割を認めていました。[2]

生命を尊重するから、科学から離れる。そのようには分けきれないところが、すでにあります。ここで参照したのはAlonso Gonzálezによる引用と分析であり、講演原本の該当ページは直接確認できていません。現代のLiving W**e / Vin Vivantへの直接の継承関係も、確認できていません。

別の資料を見ると、一九三四年のOIVのBulletinにも、ワインを produit vivant、「生きた産物」とする用例があります。ただし、そこには当時の栄養、生命、エネルギーをめぐる言説が混ざっており、現在の微生物学的な意味をそのまま遡らせることはできません。[3]

同じように「生きたもの」と言っていても、何を説明し、何をよしとしているのかは、その言葉が置かれた場所によって違います。

日本語の「生きたワイン」がいつ、どのような場面で使われ始めたのかは、今回の調査では追えていません。ここで参照する欧州語の用例を、日本語表現の起源や、同じ意味で使われてきた証拠として扱うことはできません。

* * *

【ワインのなかで、何が生きているのか】

醸造の専門的な議論にも、この言い方は現れます。一九八九年のOIVで、ワイン微生物学の専門家グループは、

Par définition, le vin est un produit vivant.

「定義上、ワインは生きた産物である」

と記し、その近くで、ワインが酵母や細菌の活動の結果として成立することを説明しています。[4]

ここでは、「生きている」の近くに微生物がいます。けれど、そこから「微生物が生きている。だからワインそのものが生物である」とは言えません。

微生物のDNAが検出されたことと、その微生物が現在生きていることは同じではない。存在すること、生存可能であること、培養できること、代謝していること、増殖していることも、それぞれ別の問題です。[5]

また、瓶の中で香味が変化することが、そのまま微生物活動を意味するわけでもありません。濾過していないことも「生きている」の証明ではないし、亜硫酸を加えたからといってすべての微生物が死ぬわけでもない。過去に微生物が作った物質が残っていることと、現在そこに生きた微生物がいることも別です。[5][6]

微生物学や醸造化学によって、一語でまとめられていたものを分けて調べることができます。その区別は、ワインに何が起きているのかを確かめるために必要です。けれど造り手は、それらを別々に調べながら、一つの畑、一つの発酵、一つのワインについて判断しなければなりません。

* * *

【土に生命を戻し、その生命を測る】

——Claude & Lydia Bourguignon

ブルゴーニュで葡萄畑に深い穴を掘り、その中へ人が入っていく写真を見たことがある方もいるかもしれません。

Claude BourguignonとLydia Bourguignonです。

夫妻が設立したLAMS、Laboratoire d’Analyses Microbiologiques des Solsは、現在も自分たちの仕事を、

vous aider à redonner vie à votre sol

「あなたの土に生命を取り戻す手助けをすること」

と表現しています。

しかし、この「生命」は、測れない何かとして置かれているわけではありません。

LAMSの説明によれば、彼らは土壌断面を観察し、その物理的・化学的・生物学的状態を調べ、土壌管理を提案します。そして研究所の目的そのものが、「テロワールの土壌の生物多様性を回復することで、ワインや農産物の品質とtypicitéを改善すること」とされています。[7]

ここには、一見すると別々に思える二つの動きがあります。土を「生きたもの」として捉えることと、その生命を分析対象にすることです。生命は科学の外側へ逃げていく神秘として置かれるのではなく、むしろ生命を重要だと考えるからこそ測定の対象になります。

夫妻は現場で穴を掘り、地表から母岩までの土壌断面、根の伸び方、土壌構造を観察したあと、物理・化学・微生物学的な分析へ移ります。Claude Bourguignonはこの違いを、尿の試料だけを見る検査技師と、患者そのものを診察する医師の違いになぞらえていました。現場の土を見なければ診断できない、というわけです。[8]

ここでは、「測定」と「全体を見ること」が一緒に行われています。根を見て土に触れ、虫や土壌構造を観察し、さらに微生物学的な活性を調べ、その結果から栽培方法を考える。LAMSが掲げる「土に生命を取り戻す」という目標には、診断し、栽培を変えるための具体的な仕事が結びついています。ただし、言葉がその仕事を生み出したのか、すでに行われていた仕事を言い表しているのかまでは、この説明だけでは決められません。

けれど、夫妻の説明は土で終わりません。植物の根がどこまで伸び、根と土壌微生物がどのような関係を結べるのか、葡萄樹が母岩や粘土層へ到達できるのかを見ながら、話はterroirへ進み、さらにワインの味へ進みます。

二〇一二年のLe Mondeの記事では、夫妻の顧客の多数がワイン生産者となっており、Romanée-Conti、Anne-Claude Leflaive、Anselme Selosseらとの仕事が紹介されています。Claude自身は、科学者としてビオディナミが語る「エネルギー」を説明することはできないとしながら、ビオディナミの畑で「非常に活動的な土壌」を観察すると述べています。つまり、彼自身も「測定できる土壌の活動」と「説明できないと留保するビオディナミのエネルギー」を区別しています。[8]

Bourguignon夫妻を「ビオディナミの科学的証明」として使うことはできませんが、逆に夫妻をビオディナミと無関係な土壌分析者として切り離すことも、実際のワイン史をうまく記述しません。

Anne-Claude Leflaive自身が二〇〇六年のインタビューで語っている経緯は、その複雑さをよく示しています。

一九八九年にClaude Bourguignonと出会ったことで、彼女のなかで「話がつながった」。しかし、そのあと父親に勧められてAubert de Villaineへ連絡し、de Villaineが相談していたFrançois Bouchetをビオディナミの実践的なコンサルタントとして迎えた、とLeflaive自身が説明しています。[9]

つまり、「BourguignonがLeflaiveをビオディナミへ転向させた」という一本線ではありません。土壌を別の仕方で見ること、既存の栽培への疑問、Aubert de Villaineとのつながり、François Bouchetによるビオディナミの実践知が重なっています。

土の生命について知ることが、栽培を変える相談へ進んでいます。そのとき必要になるのは、一つの思想だけでなく、違う仕事をしてきた人たちの知識でもあります。

ここで立ち止まりたい。「土壌に微生物学的な活動がある」こと、「根が深く伸びる」こと、「葡萄樹がterroirを捉える」こと、「ワインがtypicitéを表現する」こと、そして「そのワインがおいしい」ことは同じ命題ではなく、それぞれに別の証拠が必要です。しかしBourguignon夫妻の実践では、それらが一つの畑についての連続した問題として扱われ、土を掘るところからグラスまでがつながっていく。そのつながりは研究所の説明に書かれるだけでなく、診断を受けて栽培をどう変えるか、変えた結果に何を期待するかという仕事にもなっています。期待したつながりが実際に成り立つかは、さらに確かめなければなりません。

* * *

【生きた土から、ワインの味まで】

——Nicolas Joly、Lalou Bize-Leroy、Domaine Leflaive

Bourguignon夫妻とは別の道筋から、「生きた土」をワインへ結びつけていく語りがあります。

Nicolas Jolyです。

Coulée de Serrantでは一九八四年から全ドメーヌがビオディナミで栽培されています。[10]

Jolyが中心人物の一人であるRenaissance des Appellationsの品質憲章では、ワインの味がその場所固有のものになるためには、葡萄樹が根を通じてterroirを捉えなければならず、そのためには土壌が vivant、「生きている」必要がある、と説明されます。

さらに、堆肥や有機肥料によって「土壌の微生物的生命」を支え、植物をできるだけ自然に発達させ、健全な農業によって場所が十分に「表現」できるようになれば、セラーでの技術的介入は不要となり、ときにはその表現を害する、と話が続きます。その結果として、ワインは「起源の味」と熟成能力を保持する、とされます。[11]

ここでは「生命」が非常に長い道を通ります。まず土壌に生命があり、その生命が根の働きを可能にし、根がterroirを捉えることで葡萄樹が場所を表現する。そうした葡萄であればセラーでの修正が少なくて済み、修正が少なければ場所の味が保たれ、そのワインはより独自性を持ち、熟成できる、という具合に、生命から味までが一気につながっています。

この品質憲章のなかでは、土壌生物についての話が植物生理へ移り、terroirについての説明へ移り、醸造上の選択へ移り、最後には味と品質の判断になります。そのあいだを vivant という語が横断している。ただし、説明がひと続きになっていることと、それぞれの接続が科学的に裏づけられていることは分けて考える必要があります。

しかもRenaissance des Appellationsでは、この考え方は単なる個人的な思想に留まりません。

二〇〇一年に結成されたこのグループでは、生きた土から生まれ、セラーで場所の味を変えないように扱われたワインが理念として掲げられるだけでなく、加盟時にはワインの試飲も行われます。つまり、畑の生命についての考え方が、最終的には「このワインがグループの求める品質に達しているか」という官能的・社会的判断へまで、組織的な審査として組み込まれています。[12]

ここで「生命」は土壌の性質であるだけでなく、品質を判断する仕組みにも入っています。

* * *

Lalou Bize-Leroyは、この世界観をさらに強い言葉で表現します。

彼女自身の回想によれば、一九八七年に夫からNicolas Jolyについての記事を渡され、翌年七月にJolyを訪ねます。

彼女が探していたのは、自分たち人間と同じように、

« tout est vivant »

「すべてが生きている」と考えること。

訪問から戻った同年九月、所有する葡萄畑を全面的にビオディナミへ移しました。[13]

ここでは「生命」の主語が土壌からさらに広がり、微生物だけでなく葡萄樹も土も生きており、人間もまたその生命の一つである、と捉えられます。

後年のインタビューでLeroyは、ビオディナミとは「すべてが生きていると判断し、その生を尊重すること」だと語り、剪定や枝を切ることまで、葡萄樹に何をしているのかという問題として捉えています。セラーについても、何もしないとは言わず、「任せる、監視する、絶えず介入しない」と述べ、見る、聞く、感じる、味わうことを挙げています。[14]

* * *

Domaine Leflaiveの現在の説明では、この生命の連鎖はさらに明瞭です。

「自然、大地、その環境」は、「その均衡が生命の源となる生きたシステム」であり、Anne-Claude Leflaiveは一九九六年からドメーヌ全体をビオディナミへ導いた、と公式に説明されています。

そしてビオディナミは「生命と根源的なエネルギー」を促進し、葡萄樹の健康を強め、その結果、

「ワイン自身が、均衡、繊細さ、優雅さを増す」

と記されています。[15]

ここでは、生きたシステムから生命/energyへ、そこから葡萄樹の健康、さらにワインの均衡、繊細さ、優雅さへという接続が、ドメーヌ自身によって明示されています。しかし、これらは同じ種類の記述ではありません。「土壌にどのような生物がいるのか」は記述的な問いであり、「葡萄樹が健康である」は農学的判断、「ワインが繊細で優雅になった」は官能的・評価的判断です。それでも、一つのドメーヌの自己説明のなかでは、それらが自然に連続しています。

「生きている」と語ることが、どのような畑を目指し、その畑からどのような味を期待するのかという、一つの仕事の方向を支えています。

* * *

【テロワールが「生命」によって書き換えられる】

Rory A. D. Hillの研究では、terroirという言葉の方にも変化が見えてきます。

Hillの論文タイトルは、

‘Le terroir, c’est la vie’: Re-animating a concept among Burgundy’s w**e producers

です。

「テロワールとは生命だ」。

しかし、Hillが主張しているのは、「terroirの本当の意味は生命だった」ということではありません。

彼がブルゴーニュでのインタビューと参与観察から分析しているのは、有機栽培やビオディナミの生産者が、土壌、生物多様性、景観などへ注意を向けることによって、それまで農学的・文化的・経済的な複数の意味を持っていたterroirへ、新しい生態学的な次元を前景化していることです。環境に配慮した栽培方法が、terroirという既存の価値体系のために「実践的にも修辞的にも動員され」、その結果としてterroirについての感覚そのものが変化している、とHillは分析します。[16]

この分析を手掛かりにすると、JolyやLeroy、Leflaiveの語彙も別の角度から見えてきます。「生きた土によって、本来のterroirが回復された」というだけではなく、「生きた土」という新しい語彙と実践によって、何をterroirとして数えるのか、その概念自体が変わっている可能性があるのです。

第2回で扱った type Bourgogne と少し似ています。

カテゴリーは、すでに完成した対象のなかからただ発見されるとは限らない。比較し、測り、評価し、語る実践によって、「Bourgogneらしさ」を構成する条件自体も変わっていく。

土の何に注意を向けるかが変われば、その土からできたワインの何を確かめたいかも変わるのでしょう。Hillの分析からは、生命への関心が、terroirを知ろうとする実践そのものに関わっていることが見えてきます。

二〇二六年のSiimes、Lewis、Sharpの論文も、terroirが土、気候、微生物など、本来なら別々に分析できるものを一つのワインの説明へ集める強力な言説として働き、地質的・植物的・微生物的な非人間の働きをワインの品質へ接続することを指摘しています。[17]

ここまで来ると、「生命」という語が土を説明しているのか、それとも「生命」を語る実践によってterroirの方が変わっているのか、簡単には分けられなくなります。

* * *

【牛の角と顕微鏡のあいだ】

生命をめぐる語りが栽培の仕事へ入ると、異なる知識が同じ場所に並びます。人類学者Christelle Pineauの著書『牛の角と顕微鏡』は、その並びを題名にもしています。

彼女が調査したフランスの自然派ワインの世界では、ビオディナミ、微生物学、感覚的な知識、ラボでの分析は、科学と信念という二つの陣営へ簡単には分かれません。[18]

自然か科学か、感覚か測定かという二択では整理しきれず、現場では牛の角と顕微鏡が並んでいます。

この点で、Bourguignon夫妻とJolyの違いも、「科学対神秘」という単純な図にしない方がよさそうです。

Bourguignon夫妻は土壌を測りながらビオディナミの畑の活性を観察し、Jolyは自然の諸力を語りながら品質憲章や栽培条件を詳細に規定し、Leflaiveは生命とenergyを語りながら実務として畑を管理しています。

生命という言葉は、科学が終わる地点に現れるのではなく、異なる知識の形式が接触する場所にも現れています。

* * *

【葡萄や発酵の変化に合わせる】

——Denis Chartier

葡萄の変化を捉えることは、人間の仕事の時期にも関わります。Jeremy Briceの二〇一四年の論文は、オーストラリアの大規模なワイン企業における収穫判断を扱っています。公開要旨によれば、化学的な検査や感覚によって葡萄の成熟を捉える実践が収穫の時期を形づくる一方、適期を捉える複数の実践は互いに干渉し、働く人たちのあいだに緊張も生じます。[19]

セラーでも、変化を捉える仕事は、感覚と分析の両方にまたがっています。

Denis Chartierが調査した自然派ワインの造り手たちは、発酵槽へ耳を近づけて酵母の音を聞き、匂いを嗅ぎ、温度を感じますが、同時に果汁をラボへ送り、窒素量を調べ、必要ならスターターも作ります。

Chartierが引用するStefano Azzoniは、自分の仕事を“control”ではなく“monitoring”と表現し、羊飼いが群れを見るようにワインを観察すると語っています。

ここでは、介入を小さく保つことが、変化への注意を必要としています。聞き、嗅ぎ、測り、待ちながら、手を加えるかどうかを判断する。少なくともChartierが調査した造り手たちにとって、「見守る」ことには、それだけの仕事が含まれています。[20]

この「見守る」という姿勢は、Leroyがセラーについて語った「任せる、監視する」を思い出させます。同じ理論を共有しているということではありませんが、異なる場所で、似た仕事の捉え方が現れています。

* * *

【何を生かし、何を抑えるのか】

発酵を見守ると言っても、どの変化も同じように待てるわけではありません。葡萄を守り、発酵を進め、人が飲めるワインへ仕上げるためには、ある働きを促し、別の働きを抑える必要があります。

Romanée-Contiの記録では、その判断が病害への対応として現れます。

二〇〇七年は湿度が高く、ミルデュー、ウドンコ病、ボトリティスへの対応が難しい年でした。

ドメーヌ自身は、その年の記録で、それらの病害と闘いながらも、

nos options « bio » (biologie et biodynamie)

という自分たちの選択の範囲を外れずに対処できたのは、栽培責任者とチームの「絶え間ない注意」によるものだった、と書いています。[21]

病原体を抑え、葡萄を守るために、天候と病害を見ながら必要な仕事をしなければならない。一方で、そのために使う手段には制限を設けています。「生きたものを尊重する」という姿勢も、畑では、何を守り、何に対処するかという選択を伴います。

* * *

その選択は、誰が、何を望ましいものとみなすかにも関わります。Heather Paxsonの生乳チーズ研究を重ねると、この問題がはっきりします。

Paxsonが“post-Pasteurian”と呼んだ職人たちは、微生物をすべて除去すべき敵だとは考えません。乳酸菌や熟成菌が働かなければチーズはできませんが、だからといってすべての菌を歓迎するわけではなく、「よい微生物」が働ける条件を作り、「悪い微生物」が優勢にならないようにします。

Paxsonは、こうした微生物をめぐる政治を“microbiopolitics”と呼びます。[22]

ここでPaxsonが見せるのは、単に「何を生かすか」という選択だけではありません。どの微生物を望ましい/望ましくないものとして分類し、どの働きを価値づけ、その評価に応じて人間の行動をどう組織するのか――その分類、評価、人間の行動の組み合わせがmicrobiopoliticsです。

* * *

Jamie Lorimerが The Probiotic Planet で考えているのは、生命を排除して秩序を作る“antibiotic”な管理から、「生命を使って生命を管理する」probioticな管理への変化です。

本の副題そのものが、

Using Life to Manage Life

です。[23]

ある生命の働きを利用して環境を整え、別の生命の増え方や働き方を変える。Lorimerが捉えるprobioticな管理では、微生物群集や生態的な関係そのものが、介入の手段になります。

ただし、その関係を調整できる余地は、どの場面でも同じではありません。『With Microbes』の編者たちは、何が問題とされ、誰が、何のために規制するかによって、その余地が開かれも狭まりもすると指摘しています。[24]

* * *

農家が自分たちの仕事をどう評価するかにも、この問題は及びます。Anna Krzywoszynskaは、再生農業における土の測定に注目しています。

土を「生きた生態系」として捉え、農家が土の匂いや手触り、植物の状態を通じて関係的・身体的に知ろうとする実践は、一見すると数値中心の農業からの離脱に見えます。しかし農家自身が、本当に土は改善しているのか、微生物群集はどう変化したのかをもっと確かめたいと考えれば、メタゲノム解析などを使って微生物を再び測定可能な対象へ変えることになります。生命をよく知りたいから測り、測ることで比較が可能になります。その論理をさらに押し進めれば、比較から基準が生まれ、「良い農場」「悪い農場」「改善した農家」「改善していない農家」を評価することもできるようになります。

Krzywoszynskaは、こうして計算や比較を可能にすること(calculability)が、従来の農業における統治性(governmentality)を消すとは限らず、むしろ新しい形で強める可能性を指摘しています。[25]

土を測ることが、土と付き合う農家自身を評価することへもつながっていきます。

* * *

先ほどterroirの側から参照した二〇二六年のSiimes、Lewis、Sharpも、微生物をワインの価値へ迎え入れる動きと、栽培で抑えなければならない生物との関係を論じています。

彼らはワイン世界で、microbial terroir、natural w**e、wild fermentationなどを通じて、微生物が以前より明示的にワインの価値へ組み込まれる“microbial moment”を論じています。しかし、ビオディナミが他の農法より道徳的にも技術的にも本質的に優れている、と主張しているわけではありません。[17]

ビオディナミや有機栽培でも、病害を防ぐために銅や硫黄を使います。[17] 葡萄を栽培し、収穫し、人間が飲むワインを造るという目的のもとで、ある生命を育て、別の生命を抑えています。私が気になるのは、その選択に、微生物や葡萄樹についての知識だけでなく、人が求める味や品質も関わっていることです。

Bascuñanaの「自然/人工」という区別を思い返すと、生命についての理解が、許される仕事とそうでない仕事を分けていたことが気になります。ここで見た実践も、生命を大切にするというだけでは、その扱い方が一つに決まりません。同じ立場や歴史の続きだということではなく、生命をどう理解するかと、何をよしとするかを、その都度一緒に考えなければならないのです。

* * *

【生命を止めたあとにも、残るもの】

望ましくない働きを抑えるとき、私たちは何を止めているのでしょう。Jeremy Briceは、別の論文で、生命を「殺す」側からこの問題へ入ります。

Killing in More-than-human Spaces: Pasteurisation, Fungi, and the Metabolic Lives of W**e.

南オーストラリアでBotrytis cinereaの影響を受けたワインを加熱処理する現場を調査した論文です。

普通に考えれば、pasteurisationとは微生物を殺す技術です。ところがBriceは、殺される対象を「菌という個体」だけに限定すると実際に起きていることをうまく記述できないと考えます。Botrytisが作った細胞外酵素はすでにワインの液体のなかへ拡散しており、菌体が一個体として存在する場所と、その代謝作用が働く場所は一致しません。そのため加熱処理が作用するのは、Botrytisの身体だけではなく、ワインという液体に広がった代謝過程でもあります。

Briceは、こうして菌体の外にも広がる代謝過程を捉えるために、“metabolic lives”という分析語を使います。[26]

しかし、この分析によって「生きたワイン/死んだワイン」という言い方が急に不安定になります。

微生物を殺したら、あるいはある代謝を止めたら、ワインは死ぬのでしょうか。人間にとって望ましくない代謝だけを止めたいと思っても、加熱は液体全体に作用するため、生命と死の境界は一個体の生死だけでは記述できません。

* * *

Nikolai SiimesのBrettanomyces研究は、その先を見せます。

Brettanomyces、通称Brettは、ワインの世界では少し厄介な微生物です。馬小屋、革、薬品などと表現される香りと結びつき、典型的なw**e faultとして排除されることがある一方、その程度やワインのスタイル、飲み手によっては複雑さや個性として肯定的に評価されることもあります。Siimesが関心を向けるのは、Brettが「よい菌か、悪い菌か」という分類そのものより、Brettが異なるワイン、場所、市場、飲み手との関係のなかで何をするのか、という問題です。[27]

その議論へ入る前に、Brettにはもう一つ、「生きている」とは何かを考えるうえで興味深い性質があります。冒頭で抽象的に分けた「存在すること/培養できること/生きていること」の線が、Brettでは実際の醸造上の問題として現れます。

SiimesはBrettを VBNC(viable but non-culturable) と結びつけて紹介しています。微生物学的にもう少し正確に言えば、Brettanomyces bruxellensisは、ワイン中のストレス条件、とくにSO₂への曝露などによって、viabilityを保ちながら通常の培養条件ではコロニーを形成できなくなるVBNC状態へ移行しうることが実験的に示されています。[28][29]

ここでいう「培養できない」は、「死んでいる」という意味ではありません。微生物が存在するかを調べる古典的な方法の一つは、試料を培地へ移し、増殖してコロニーを作るかを見ることですが、VBNC状態では、この方法では検出できなくなっていても別のviability指標では生存可能性が残っている場合があります。Brettでは、SO₂によってculturabilityを失いながらviabilityを維持した細胞が、SO₂のストレスを弱めると再び培養可能になったことも示されています。[28]

つまり、

検出できること、培養できること、生存可能であること、代謝していること、増殖していることは、同じではありません。

DNAを検出できたからといって、その細胞が現在生きているとは限りませんし、反対に培地でコロニーができなかったからといって、それだけで死んでいるとも言えません。さらに、VBNC状態で代謝活動がどの程度残るかも一様ではありません。SO₂ストレス下のBrettで揮発性フェノール生成が続きうるとした研究がある一方、別の赤ワイン条件ではVBNC細胞が4-ethylphenolを生成しなかったという報告もあります。[28][29][30] したがって、VBNCを「見えないけれど活動し続ける菌」と単純化することもできません。

ここまで分けてみると、「Brettがいる/いない」という一見単純な問いそのものが、かなり複雑であることが分かります。

そしてSiimesの議論は、そこからもう一方向へ進みます。

Brettが活動して作った4-ethylphenolや4-ethylguaiacolなどの揮発性フェノールは、Brettの細胞そのものが後から除去されたとしてもワインに残り、その味や匂いとして経験されることがあります。Siimesは、この残り方をBrettの “afterlife” と呼びます。[27]

このafterlifeは、先ほどのVBNCとは違います。VBNCでは、そこに生存可能な細胞がいるのに通常の培養では見えなくなることがある。afterlifeでは逆に、Brettの身体そのものがすでに除去されていても、それが行った代謝の結果が残り、人間はその痕跡に匂いや味として出会います。

Siimes自身が書くように、私たちがグラスのなかで出会うBrettは、微生物の身体そのものというより、Brettが残した味や匂いであることが多いのです。[27]

すると少なくとも、生きている微生物、微生物の代謝、代謝産物、感覚としての匂い、そして「複雑だ」「馬小屋臭だ」「魅力的だ」「欠陥だ」という評価を、一つずつ分けて考えなければなりません。

DNAや化学分析によってBrettやその代謝物を同定できても、それだけで飲み手がどう反応するかは予測できない、とSiimesも指摘しています。またBrettのagencyについても、単に「微生物にもagencyがある」と言うだけでは十分ではなく、重要なのはその働きがどのように現れ、どのような結果を生むかだ、と彼は論じています。[27]

生命がそこにいることと、生命が何かをしたことは同じではありません。そして生命がしたことは、その生命がそこからいなくなったあとにも残る。

生命は、ときに「痕跡」として味わわれます。

* * *

【生命を、どこで捉えているのか】

Brettの身体と、その働きと、私たちが味わうものは、必ずしも同じ場所、同じ時間に重なっていません。このずれを考えるとき、科学・生物医学の人類学者Charlotte Brivesの議論が手掛かりになります。

Brivesが研究しているのはワインではなく、主としてバクテリオファージと細菌の関係です。ファージは宿主細胞の代謝機構を利用して増殖するため、ウイルスを「生物」と呼ぶべきかという問題は長く議論されてきました。Brivesも、ウイルスが単純に生物とも非生物とも言い切りにくい「生命の縁」に置かれてきたことから議論を始めます。[31]

ただ、彼女が問い直すのは、一つの存在を他との関係から切り離し、その内部に「生命」という属性があるかどうかだけを問うことで十分なのか、ということです。

ファージ療法の現場でBrivesが聞いた言葉に、ファージは単独では考えられず、常に phage / bacteria pair、ファージと細菌の対として現れる、というものがあります。あるファージがどの細菌に作用するかは、場所や時間、両者の変化によっても変わります。[31]

しかも、その関係のなかでファージや細菌自身も変わります。ファージが細菌を破壊する場合もあれば、ファージの遺伝物質が宿主へ組み込まれる場合もある。Brivesが用いる pluribiosis という言葉は、こうした複数の関係のスペクトルのなかで、存在そのものが絶えず生成し、変化していることを捉えようとするものです。最初から固定された個体があって、あとから関係が加わる、とだけ考えることはできません。[31]

Brivesが調査した研究室では、分離したファージと細菌の両方を凍結保存し、調べたときの関係を保とうとしていました。ある対について得られた知識を次の実験でも使うには、保存や取り扱いによって両者の変化を抑えなければなりません。Brivesはこうしたコレクションを、ファージ、細菌、人間、環境の変化し続ける関係史――彼女のいう microgeohistory――の、ある瞬間を切り取ったものとして考えます。[31]

ここでは、過去の働きが痕跡として残ることに加えて、調べている対象を、どの関係と条件のもとで同じものとして保っているのかが問われています。分離し、名づけ、保存する仕事そのものが、生命について知るための条件になっています。

これをワインそのものの生命の証明にはできません。ただ、Brettの細胞を調べることと、ワインを飲んでその働きに出会うことを、「同じBrettについての話」として結ぶときにも、どの条件を揃え、何の違いを残しているのかは問いたいと思います。

「ワインは生物か、非生物か」という問いだけでは、今回見てきたもののかなりの部分がこぼれ落ちるのです。

* * *

【ワインそのものを「生きた存在」と呼ぶ】

——Hervé Jestin

しかし、ワインそのものを一つの生きた存在として捉え、醸造の仕事を組み立てている人もいます。Hervé Jestinはワインを、

un être vivant

「生きた存在」

として語ります。

Jestinは醸造学の教育を受け、長くChampagneの醸造に携わってきた人物です。

本人の二〇二五年の回想によれば、醸造の経験を通じて、通常の生化学的なパラメータだけでは自分が観察している現象を十分に扱えないと考えるようになり、

「ワインは生きた存在なのだと理解した。醸造を導くには、ワインに伝える情報を管理しなければならない」

と語ります。[32]

Jestinは「微生物が生きているからワインは生きている」とだけ言っているわけではありません。彼の vivant はもっと広く、ワインは周囲から「information」を、自然から「energy」を受け取り、それを保持したうえで、最終的には飲む人間へ伝えると考えられています。

Terre de Vinsのインタビューでは、ビオディナミの目的について、単に「味のよいワインを造ることではない」とまで述べています。

彼によれば、ワインが自然から得たenergyとinformationを蓄え、それを飲み手へ伝えることで、人間を自然との関係へ再接続することが目的になる。[32]

ここでは話が、葡萄からワインへ、ワインから自然へ、さらに飲み手へと進みます。

Living W**eの意味空間が、農業や醸造を越えて、人間と自然の関係についての世界観へ広がっています。

* * *

ただし、Jestinが語る「情報」や「energy」、Lecher antenna、宇宙的・地上的なエネルギーの均衡を、本稿では科学的に確立した事実として扱いません。ここで資料として読んでいるのは、Jestin自身が自分の実践を理解するために使っている言葉です。

二〇二〇年の取材では、彼がLecher antennaを用いて宇宙的/地上的なenergyを測ろうとし、象徴的な数を使った添加を行い、ワインを物質的なものだけでなく「spiritual being」としても語る様子が紹介されています。一方で、亜硫酸添加を完全に拒否しているわけではありません。必要と判断すれば使用し、その上で彼自身の体系では「energy的な影響」を別の方法で調整すると説明しています。[33]

通常の醸造分析と、科学的に確立されていない別の認識体系が、一人の醸造家の仕事のなかで同時に使われています。その併用が仕事をどう方向づけるかは調べられますが、併用されているという事実だけで、energyやinformationについての説明が裏づけられるわけではありません。

二〇二五年のLe Mondeの取材では、その並置が非常にはっきりしています。

発酵中のワインの記録にはpH、温度、濁度、窒素量が書かれている一方で、同じ資料に月の位置、星座、潮汐係数も記され、さらにLecher antennaを発酵槽に当てて「energy」やワインの「内的状態」を測ろうとします。[34]

pHか月か、ではありません。一人の醸造家の仕事のなかで、両方が並んでいるのです。

Pineauの「牛の角と顕微鏡」という題名が、ここでも戻ってきます。

* * *

Jestin自身は、Rudolf Steinerはワインについて体系的には書いていない、とも述べています。

つまり、現在Jestinが行っている「醸造のビオディナミ」は、Steinerから完成したワイン醸造法を受け取ったものではありません。

Jestin自身が、葡萄栽培に用いられてきたビオディナミの考え方を、発酵中のワインへ拡張しているのです。

「ビオディナミのワイン醸造」という伝統が最初からそこにあって、それを継承しているというより、ワインを「生きた存在」と見ることによって、畑で用いられていた概念をセラーの内部へ運び込んでいるのです。[32]

ここでも、生命という語が異なる実践領域の距離を縮めています。

* * *

〈感じられるenergyと、説明されるenergy〉

そして、このJestinの言説は前回扱った energy とつながります。

第7回では、「このワインにはenergyがある」という現在のテイスティング語を見ました。その場合のenergyは通常、物理学的なエネルギー量を報告する言葉ではなく、ワインが口の中で動き、時間的に展開し、酸や果実や触感が緊張を保ち、飲み手がそこに活力を感じるといった複数の感覚をまとめる評価語でした。

ところがJestinのところへ来ると、同じenergyが、ワインが自然から受け取り、保持し、飲み手へ伝えるものとして語られる。

Domaine Leflaiveでも、「生命と根源的なenergy」が栽培実践から葡萄樹の健康、ワインの品質へ接続されていました。[15]

二つの用法を並べると、「飲んで感じたこと」を記述する語と、「ワインがどう存在しているか」を説明する語のあいだに、同じenergyが置かれています。ただし、テイスティング語からJestinの語へ歴史的に移った、と示せたわけではありません。

感覚としての活力を認めることと、自然から特定の力が伝わるという説明を認めることは、別の判断です。その一方で、Jestinの場合には、その説明が醸造の記録や判断にも入り込み、言葉と仕事とが結びついています。Living / vivantをたどるときにも、用法の違いと、その用法を支える実践の両方を見る必要がありそうです。

* * *

【時間のなかで「生きている」】

——Serge Hocharからstableへ

ところが、ワインを生きたものとして語るために、Jestinと同じ説明が必要なわけではありません。Château MusarのSerge Hocharが語る「生命」には、変わっていくワインと、それに付き合う時間が深く関わっています。

Hocharは、ワインを“living w**e”と呼び、人間とワインとの関係を“living relationship”として語っていました。[35]

二〇〇九年には、

“W**e should not be stable and dead.”

と述べ、そのあとワインは瓶の中でevolveし、changeする“living product”であるべきだ、と説明しています。[36]

ここでは、「生きている」の中心に微生物ではなく時間があります。同じワインが今日と明日で違い、瓶の中で熟成し、開栓後にも変わっていくのを人間が待つ。Hocharにとって“living”は、こうして変化する可能性を持ち続けていることと強く結びついています。

そうすると冒頭の、

vins « vivants » mais stables

がまた不思議になります。

* * *

二〇一〇年のDelinatの私的な品質基準には、

vins vivants, biologiquement stables

「生きていて、生物学的に安定したワイン」

という表現があります。[37]

同じ文書のなかには、生物多様性、terroir、熟成能力、亜硫酸、培養酵母、濾過などが並んでいます。[37]

すると、Barretではlivingでありstable、Hocharではstableでありdead、Delinatではlivingでありbiologically stableという三つの表現が並びます。

矛盾しているようですが、それぞれが置かれた文脈を読むと、少なくとも同じ「stable」を語っているとは考えにくい。

本稿では、Hocharのstableを、変化しなくなり、時間のなかで固定されてしまったワインという評価的・時間的な意味として読みます。Delinatのbiological stabilityは、その醸造上の文脈では微生物学的な安定性として読めます。Barret自身はstableが何を指すかを明示的には定義していませんが、同じスレッドで酸化・還元、熟成、鮮度が論じられている文脈から、本稿では、生き生きとした変化を保ちながら飲み手にとって受け入れられる安定をどう確保するのかという実践的な問題として読んでいます。

“living”の意味を確かめようとすると、それと組になる“stable”も、文脈ごとに読み直さなければなりません。

だから、

dead(死んでいる)
sterile(無菌の)
stable(安定している)
filtered(濾過されている)
standardised(標準化されている)
predictable(予測できる)

を、すべて「死んだワイン」の同義語として束ねることはできません。

* * *

【造り、飲み、確かめ直す】

ワインを生きたものと呼ぶ人のあいだにも、安定を求める言い方と、安定を死に結びつける言い方があります。その違いを、言葉の意味の違いとして分けることはできます。けれど、何を安定させたいのか、どの変化を待ちたいのかは、それぞれが造り、飲み、確かめてきたワインとも関わっているはずです。

この点を考える手掛かりになるのが、ワインの品質や評価を研究してきたGeneviève Teilのテロワール論です。

Teilは、テロワールを、あらかじめ完成した性質として取り出せる対象なのかと問います。彼女が描くのは、栽培や醸造と、その結果を味わい、比較し、議論することを通じて、テロワールとその評価がともに形づくられる過程です。一つの瓶や一回の判断に収まらず、複数のワインと、それらを吟味する実践に分散して現れる対象として捉えています。[38]

その過程では、造り手の意図が実現しないことも、飲み直すと評価が変わることもあります。何でもテロワールと呼べばよいのではなく、期待と結果を照らし、見落としていたものを確かめ直す。その吟味が続くことを、Teilは重視しています。[38]

別の論文の公開要旨によれば、造り手と畑との共同の仕事から生じる多様な品質を、typicitéの審査がどう評価できるのかが論じられています。保証するための基準を設けながら、新しく生まれる表現にも開かれていること。その両立の難しさが問題になります。[39]

ここから先は、Teilの議論を手掛かりに、私が「生きている」という言葉について考えていることです。

共同で吟味するとしても、誰の経験が聞かれ、どの異論が取り上げられるかは問われます。複数の人が認めていることだけで、評価が閉じてしまう可能性まで消えるわけではありません。

冒頭のフォーラムでBarretは、時間を置いたワインが生気や鮮度を取り戻した経験を語っています。ところが別の参加者は、開栓後、栓をして冷蔵庫に置き、数日にわたって飲んでも改善しなかったワインを挙げていました。[1] 同じ瓶を同じ条件で比較した記録ではなく、どちらの説明が正しいかをここから決めることはできません。それでも、期待した変化と実際に経験した変化のずれが、話し合われています。

「生きている」という判断にも、こうした経験を照らし合わせる余地があります。何を感じてそう言い、飲み直したあとにはどう判断したのか。相手と意見が異なるなら、どのワインを、どのような条件で飲んだのかも確かめる必要があります。

微生物の生存を調べることと、こうしてワインに付き合うことでは、確かめている内容が違います。どちらの結果も、もう一方の問いへの答えとして、そのまま移すことはできません。

もちろん、Teilのテロワール論を、そのまま「ワインが生物である」という根拠にはできません。「生きている」と感じた経験を丁寧にたどっても、その原因が特定の微生物やenergyにあると示されたことにはならない。その因果関係を主張するなら、それを支える証拠が必要です。

それでも、「生きている」という一語を、測定結果に直せないからといって、何も確かめようのない感想として片づけるのは早いと思います。何に気づき、どう扱い、どのように飲み直し、どこで判断が変わったのかは、具体的にたどれます。

* * *

【「生きている」が結びつけるもの】

土に生命を戻そうとする仕事から始めると、測定と栽培がつながり、葡萄の変化を追えば、収穫の判断や人間の予定が動きます。発酵を見守る仕事には、望ましい働きを促し、別の働きを抑える選択が含まれる。微生物の身体を取り除いたあとにも、その働きの結果は味や匂いとして残り、瓶の変化を待つところでは、飲み手も、その変わった味を確かめながら判断を重ねます。

こうした関係のすべてを、「生きている」という言葉が作り出したわけではありません。糖度を測ることも、発酵を待つことも、ワインを飲み直すことも、その言葉を使わずに行えます。ただ、生命を重視する説明が、土のどこを見るか、どの変化を待つか、何を守るかに方向を与えている用例はありました。

そして「生きている」と言うことで、普段は別々に話されるそれらの仕事が、一つのワインについての説明として見えてくることがあります。

ただし、ここで一緒に考えてきたもののすべてが、造り手自身の語りのなかで結びついていたわけではありません。JolyやJestinには、本人たちが土やワインや飲み手をつなぐ説明があります。他方、BriceやBrives、Teilの研究を読み合わせたところには、私がワインを考えるために見いだした接続もあります。この二つを区別しながら、「生きている」という語の働きと、その語を手掛かりに見えてくる実践を考えたいと思います。

* * *

それぞれの仕事のなかではつながっていても、同じことを言っているわけではありません。

「土壌に微生物学的な活動がある」という記述と、「このワインはterroirをよく表現している」という判断。「微生物が生存している」ということと、飲んだときに生命感があること。瓶の中で変化することと、その変化を好ましいと感じること。それぞれについて、何をどのように確かめればよいかは違います。

同じワインの味を支えている関係をたどるためにこそ、どこまで観察できていて、どこからが説明であり、何を期待し、何をよいと判断しているのかを区別したいのです。

ところが、living、vivant、「生きている」という一語は、ときにその区別を見えにくくします。

「生きた土だから、よいワインになる」と言えば、土壌生物から官能的な品質まで、確かめるべき関係を一文で飛び越えられる。「自然に任せたワインだ」と言えば、測定、温度管理、観察、待つこと、介入しないという判断までが消えてしまうことがあります。生命を尊重する農法と、味のよさや倫理的な優位までが、同じ肯定のなかへ入ってしまうこともある。

一九三三年のBascuñanaの講演に見たように、生命についての説明は、どのワインを自然と認めるかという区別にもなりえます。現在の私たちが「生きたワイン」と言うときも、その裏側に「そうでないワイン」を置いていないかは、気にしておきたいと思います。

これは、区別すること自体をやめれば済む問題でもありません。病害への対処も品質の評価も、区別する仕事を含んでいます。問いたいのは、何をもとに区別し、その判断をどこで確かめ直せるのか、ということです。

* * *

Teilを読んだあとでは、「いま、どの話からどの話へ移ったのか」という問いに加えて、その移動を支えている実践へも目が向きます。畑についての説明とグラスの経験がつながっているなら、そのあいだにどのような仕事があり、どのような吟味があったのでしょう。確かめたことと、これから確かめたいことは、まだ同じではありません。

* * *

【「このワインは生きている」】

それでも、ワインを飲んでいると「これは生きているな」と思うことがあります。そのとき私は、OIVの報告書や土壌微生物数を思い浮かべているわけではなく、Bourguignon夫妻の土壌断面も、Renaissance des Appellationsの品質憲章も頭にはありません。

香りが変わり、さっきまでなかったものが出てきて、酸や果実や触感がばらばらではなく何か全体として動いている。グラスを置いておけば、こちらが何もしなくても次に飲んだときには少し違う。そのくらいのことです。

けれど、その何気ない「生きている」という一語を追ううちに、グラスの中の変化は、畑やセラーで生じていることとも重なって見えてきました。微生物の働きと、それを見守り、ときには止める人間の判断。その判断が支える味と、そこに価値を見いだし、ときには考え直す飲み手の身体です。

「生きている」と言った人が、そのすべてを意識しているという意味ではありません。言葉は、使うたびに自分の歴史を全部説明する必要などないからです。今回読み比べた用例や実践のあいだにも、直接の継承を確認できたわけではないものが残っています。

Living W**e / Vin Vivantを、どのワインにも同じように備わる一つの性質の名前として定めるのは難しそうです。それでも、その言葉が何を捉えようとしているのかは、造り手や飲み手の言葉、その言葉とともに行われている仕事から考えていけます。

「生きていて、安定している」。冒頭では少し妙に聞こえた言い方も、どの変化を保ち、どの変化には対処したいのかという仕事を思うと、違って聞こえてきます。ただ、その両立がうまくいっているかどうかは、「生きている」という言葉だけでは分かりません。

次に飲んだとき、私もまた、同じように感じるのでしょうか。

いま、生きていると言われたのは何だったのでしょう。

微生物でしょうか。それとも、葡萄樹や土でしょうか。発酵でしょうか。変化する時間でしょうか。あるいは、それらと付き合うなかで感じられた何かでしょうか。

その言葉のまわりに、どのような仕事や経験、確かめ方があったのでしょう。

その「生きている」という一語によって、いま何と何がつながったのでしょう。

* * *

【注・参照資料】

[1] La Passion du Vin, forum thread “Domaine Stéphane Bernaudeau.” Philippe Barret, post #21, 9 March 2005; Guest, post #22, 9 March 2005; René, post #24, 10 March 2005.
https://www.lapassionduvin.com/loire/37549-domaine-stephane-bernaudeau
Barretが低亜硫酸ワインの時間的変化を論じたうえで vins « vivants » mais stables と書き、その後、Renéと署名した投稿が Vive le vin, vive la vie, vive le vin vivant. と応じる。RenéをMosseと読むのは、 .M.署名と、 Mosseに呼びかける応答関係に基づく判断。後半では #21と #22の、時間を置いたワインの変化についての異なる経験も参照した。個々の投稿者による経験と解釈の記録であり、酸化・還元等の診断の正しさを本稿で確定したものではない。

[2] Pablo Alonso González, “W**e is alive: the vitalist and theological roots of natural w**e in 19th and 20th century Spain,” Humanities and Social Sciences Communications 12 (2025): article 701.
https://doi.org/10.1057/s41599-025-05036-y
同論文が引用するLucio Bascuñana y García, El vino como producto comercial: conferencia pronunciada el 23 de Marzo de 1933 en la Escuela de Comercio de Jerez(1933)のp. 32(生命としての説明)、p. 13(自然/人工の区別)、p. 15(科学の役割)を参照。本文の説明はAlonso Gonzálezを介したものであり、1933年原本の該当ページの直接読解ではない。原本の書誌・所蔵はカディス大学リポジトリで確認:https://rodin.uca.es/handle/10498/33065。現代のLiving W**e / Vin Vivantへの直接の伝播経路は未確認。

[3] Office International du Vin, Bulletin de l’Office International du Vin, no. 75, August 1934.
https://pandor.u-bourgogne.fr/pleade/functions/ead/detached/BOIV/BOIV_1934_08_n075.pdf
Le vin est un produit vivant, une réserve d’énergie, une source de vie. という用例。栄養、vitamines、当時の生命・energy言説が近接しているため、現在の微生物学的意味へ直線的に遡らせない。

[4] Office International de la Vigne et du Vin, “Rapport d’activité de l’O.I.V. en 1989,” Groupe d’experts « Microbiologie du Vin », Bulletin de l’O.I.V., nos. 705–706, 1989.
https://pandor.u-bourgogne.fr/pleade/functions/ead/detached/BOIV/BOIV_1989_11-12_n705-n706.pdf
Par définition, le vin est un produit vivant. に続き、ワインが酵母・細菌の活動の結果であると説明する。

[5] V. Millet and A. Lonvaud-Funel, “The viable but non-culturable state of w**e micro-organisms during storage,” Letters in Applied Microbiology 30 (2000): 136–141.
https://doi.org/10.1046/j.1472-765x.2000.00684.x
ワイン中の微生物について、培養できないことと生存可能性が同じではないこと、SO₂や酸素条件がVBNC状態と関係しうることを示す。

[6] Javier Echave, Marta Barral, Maria Fraga-Corral, Miguel A. Prieto, and Jesus Simal-Gandara, “Bottle Aging and Storage of W**es: A Review,” Molecules 26, no. 3 (2021): 713.
https://doi.org/10.3390/molecules26030713
瓶内熟成に伴う香味変化が、微生物活動だけでなく酸化・還元を含む複雑な化学変化によって生じることを整理する。

[7] LAMS, Laboratoire d’Analyses Microbiologiques des Sols, official site, accessed 5 September 2026.
https://lams-21.com/
LAMSの使命、土壌断面の観察、物理・化学・生物学的分析、terroirの生物多様性とquality / typicitéへの接続を確認。

[8] “La terre vue du sol,” Le Monde, 28 January 2012.
https://www.lemonde.fr/archives/article/2012/01/28/la-terre-vue-du-sol_4327062_1819218.html
Bourguignon夫妻の土壌断面観察と分析、ワイン生産者との仕事、Claude Bourguignonによるビオディナミの“energy”への科学的留保を確認。

[9] Clive Coates, “Woman in White,” Decanter, 2006.
https://decanter.media.ipcdigital.co.uk/11150/000009f95/36f5/Decanter-Leflaive-Interview-2006.pdf
Anne-Claude Leflaiveが1989年にClaude Bourguignonと出会った後、Aubert de Villaineを介してFrançois Bouchetをビオディナミの実践的コンサルタントとして迎えた経緯を語る。

[10] La Coulée de Serrant, official vineyard presentation, accessed 5 September 2026.
https://coulee-de-serrant.com/
ドメーヌ全体のビオディナミ移行時期など、基本的な沿革を確認。

[11] Renaissance des Appellations, “Charte de Qualité Renaissance des Appellations,” official site, accessed 5 September 2026.
https://renaissance-des-appellations.com/fr/charte-de-qualite-renaissance-des-appellations/
生きた土、根、terroir、土壌の微生物的生命、栽培

05/09/2026

2026/09/05(土)パセミヤ週末の土日は15時からの営業です。
当日のお問い合わせもお受けしやすくなりました。

早い時間から遅めの時間まで、日本ワインとお好み焼きでゆっくりお楽しみいただけます。

「今日、これからパセミヤに行けるかな」というときに、気軽にお問い合わせいただければと思います。ご予約はお一人様から可能です。

📝ご予約について
先の日程のご予約は、南インド料理をベースにした軽めの前菜・煮込み2種のスパイスセット(おひとり様3,800円・税込)をご希望のお客様のご予約のみお受けしております。料理はご予約の人数様分をご用意いたします。

予約フォームはこちら。
https://pasania.osaka/book-now/
当日のフォームと先の日程のフォームとふたつございます。

皆さまからのお問い合わせお待ちしております!

大阪もこれからの天気がどうなるか気になりますが、パセミヤは本日(2026/09/04・金)も17時からの営業です。​早い時間から遅い時間まで、当日のお席もございますので、お気軽にお問い合わせください。日本ワインとお好み焼きをご用意して、皆さ...
04/09/2026

大阪もこれからの天気がどうなるか気になりますが、パセミヤは本日(2026/09/04・金)も17時からの営業です。

​早い時間から遅い時間まで、当日のお席もございますので、お気軽にお問い合わせください。

日本ワインとお好み焼きをご用意して、皆さまからのご連絡をお待ちしております。

​お電話も可能ですが、予約フォームでのお問い合わせが便利です。

https://pasania.osaka/book-now/

​昨日はバス帰宅の待ち時間に、開けてから日数が経ってお客様にはお出ししていないワインを試飲。

日にちが経過しても急に飲めなくなるわけではなく、味わいのバランスが変わるだけなので、これはこれでそのワインの特徴を知るのに良かったりします。

#パセミヤ #中之島 #お好み焼き #日本ワイン #スパイス料理

何度か試作しているソース焼き飯。昭和の大衆食堂的懐かしさと、今風の味のバランスって違うなぁと思いつつ、スパイスも加えたりしてワンダフルソース味でインド的なフライドライス風にしようと目論んでいるのですが、冷蔵庫でしっかり冷やして翌日食べたほう...
03/09/2026

何度か試作しているソース焼き飯。

昭和の大衆食堂的懐かしさと、今風の味のバランスって違うなぁと思いつつ、スパイスも加えたりしてワンダフルソース味でインド的なフライドライス風にしようと目論んでいるのですが、冷蔵庫でしっかり冷やして翌日食べたほうがソースの甘みが出て美味しかったりするのが謎。

雨ですね。こんな日は、電車やバス、徒歩を組み合わせてパセミヤへ出勤しています。​大阪駅からのバスも便利ですが、Osaka Metro 四つ橋線の肥後橋駅や、京阪中之島線の渡辺橋駅からは地下通路で直結しているため、雨に濡れずに中之島ダイビルま...
02/09/2026

雨ですね。こんな日は、電車やバス、徒歩を組み合わせてパセミヤへ出勤しています。

​大阪駅からのバスも便利ですが、Osaka Metro 四つ橋線の肥後橋駅や、京阪中之島線の渡辺橋駅からは地下通路で直結しているため、雨に濡れずに中之島ダイビルまでお越しいただけます。

​ちなみに地下通路では、大阪中之島美術館の「フェルメール展」に合わせて、ダイビルのマスコットキャラクター・メービルちゃんが「フェルメービル」になってお出迎えしてくれています。

​本日 2026/09/03(木)、パセミヤは17時より営業いたします。
​「今日ふらっと寄れるかな」
「ワインとお好み焼きを軽く」
といった当日の空席確認やお問い合わせも大歓迎です。

お電話またはWEBの予約フォームなどでお気軽にお尋ねください。

​足元にお気をつけてお越しくださいね。

2017年に甲状腺機能亢進症からのクリーゼで急性心不全になり2週間ほど入院しました。副作用がいろいろと出たりで薬がなかなか合わずに医師と相談の上、アイソトープという放射線治療を2018年にしました。ヨード除去食が大変でしたが、それはそれで健...
02/09/2026

2017年に甲状腺機能亢進症からのクリーゼで急性心不全になり2週間ほど入院しました。副作用がいろいろと出たりで薬がなかなか合わずに医師と相談の上、アイソトープという放射線治療を2018年にしました。ヨード除去食が大変でしたが、それはそれで健常者のかたの食生活とこんなに違うのかと興味深かったです、

その後は、甲状腺の機能を抑制したため、足りない甲状腺ホルモンを毎朝欠かさず飲むのですが、長く飲んでいると、体調と薬の分量の兼ね合いが安定しなかったりで、今の分量になったのは2023年頃のことです。

定期的に通院し、検査をし、数値を見ながら最近の体調についていろいろと尋ねられたり、質問をしたりするのですが、人の体は機械ではないので季節の変わり目だったり加齢もあり、軽微ですが症状が出たりします。

こればっかりはずっと付き合うしかないのですが、今回は、9月はじめのイベントのお話を、初夏にいただいていたのですが、キャンセルすることになりました。

関係者の皆様にはご迷惑をおかけして申し訳ございません。

キャンセルの連絡をしたときに、また来年と言ってくださったので、体調を整えて来年は参加できるようにしたいと思っています。

今日は朝から検査で、数値も安定してて胸をなでおろしたところです。

ということで、9月も皆様からのお問い合わせお待ちしております。

あ、姉はいたって元気です。

山梨のペイザナの吉田さんからじゃがいもが届いたので、豊中時代から作っているパクチーとシンプルに合わせた一品。パクチーは、香り成分を強く感じやすい体質の方が多く、石鹸のような香りに感じて苦手になる方も多い食材で、普段は使わないのですが、こちら...
02/09/2026

山梨のペイザナの吉田さんからじゃがいもが届いたので、豊中時代から作っているパクチーとシンプルに合わせた一品。

パクチーは、香り成分を強く感じやすい体質の方が多く、石鹸のような香りに感じて苦手になる方も多い食材で、普段は使わないのですが、こちらは加熱とニンニクの組み合わせで比較的苦手な要素が抑えられ、大丈夫な方も多いです。

ちなみに個人的には、少しミントを混ぜるとパクチーの青臭さが抑えられて柑橘系の爽やかさが立つように感じるのでおすすめです。

苦手なものを無理に食べる必要は無いですが。

2026/09/02(水)、パセミヤ本日はヨシヲ所用のため18時からの営業です。
日本ワインとお好み焼き、若干のスパイスをご用意して皆さまからのお問い合わせをお待ちしております。

パセミヤ、本日2026/09/01(火)は通常営業ですが、明日9/2(水)は、ヨシヲ所用のため、18時からの営業予定です。お問い合わせの際はご注意ください。写真は去年のもので、余市のかくと徳島屋さんでの大満足な朝食。また余市の皆さんに会いに...
01/09/2026

パセミヤ、本日2026/09/01(火)は通常営業ですが、明日9/2(水)は、ヨシヲ所用のため、18時からの営業予定です。
お問い合わせの際はご注意ください。

写真は去年のもので、余市のかくと徳島屋さんでの大満足な朝食。
また余市の皆さんに会いに行けるように頑張らないと。

2026/09/01(火)今日から9月ですね。今月もどうかよろしくお願いします。本日は、パセミヤは17時からの営業です。皆さまからのお問い合わせをお待ちしております。ご予約は予約フォームからが便利です。当日は、その日のご予約状況や店内の進行...
31/08/2026

2026/09/01(火)今日から9月ですね。今月もどうかよろしくお願いします。

本日は、パセミヤは17時からの営業です。
皆さまからのお問い合わせをお待ちしております。

ご予約は予約フォームからが便利です。

当日は、その日のご予約状況や店内の進行により、日本ワインとお好み焼き・焼きそば・焼きうどんでご案内できる場合があります。

「今日、パセミヤに行けるかな」というときに、気軽にお問い合わせいただければと思います。

営業時間を変更したことで、以前に比べてご予約をお受けしやすくなりました。
時間や人数など気軽にご相談ください。

📝パセミヤ営業案内
月〜金:17:00〜22:00(最終入店)
土日祝:15:00〜22:00(最終入店)

📝ご予約について
先の日程は、南インド料理をベースにした軽めの前菜・煮込み2種のスパイスセット(おひとり様3,800円・税込)をご希望のお客様のご予約のみお受けしております。料理はご予約の人数様分をご用意いたします。

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現代ワイン語彙——似ている言葉、ずれる経験|ワイン語りのレトリック 第7回 参考資料ワインについて話していると、英語やフランス語の言葉を日本語へ置き換えたり、逆に日本語の表現を外国語で説明したりすることがあります。tensionは「緊張感」...
31/08/2026

現代ワイン語彙——似ている言葉、ずれる経験
|ワイン語りのレトリック 第7回 参考資料

ワインについて話していると、英語やフランス語の言葉を日本語へ置き換えたり、逆に日本語の表現を外国語で説明したりすることがあります。

tensionは「緊張感」、salinは「塩味」、digesteは「飲み疲れしない」に近いのか。日本語の「透明感」は英語のtransparencyでよいのか。「伸び」や「キレ」は、他の言語では何と呼べばよいのか。

調べ始めたときは、ある程度対応する言葉を並べられるのではないかと思っていました。

ところが実際のテイスティングコメントや用語集を英語、フランス語、日本語で追っていくと、むしろ「似ているけれど同じではない」ことの方が面白くなってきました。

たとえばフランス語のallongeは、日本語の「伸び」に似ているように見えます。しかし実際には、どれほど長く残るかという「持続」に強く関わっている。一方、日本語の「伸び」は、酸や味わいが中盤から余韻へどう続いていくかという「軌跡」を語っているように見える。そして「キレ」はまた別の時間感覚を切り取っています。

savoury、sapide、「旨味」も同じです。一見するとかなり近い言葉のようですが、実際の用例を読むと、果実ではない香味、口中での充実、滋味を含む味わいの深さへと、それぞれ違う方向を向いていました。

今回の資料は、こうした言葉の「正しい対訳」を決めるためのものではありません。

むしろ、

その言葉は、ワイン経験のどの部分を一つのものとして切り出しているのか。

を考えるために、英語・フランス語・日本語の現在のワイン語彙を並べてみたものです。

第7回「ワインの言葉は、どこまでワインの中にあるのか」の執筆過程から生まれた参考資料ですが、単独でも読めるようにまとめました。

第7回で扱った五つの語を、三言語で見直す

第7回本体で意味や来歴をすでに扱った語については、ここでは繰り返しません。三言語のずれだけをまとめます。

張力
English:tension
Français:tension / tendu
日本語:緊張感/張り
要素間の関係、ワインの状態、酸の質が完全には重ならない。[2a][2b][2c][2d]

噛めるようなフレッシュさ
English:crunchy
Français:croquant
日本語:一語対応なし
今回確認したフランス語の用例では、croquantは果実に付く例が目立つ。日本語では一語に圧縮しにくい。[3][22b]

動勢
English:drive / energy
Français:énergie
日本語:エネルギー
driveは推進する感じ、energyはより全体的な活力へ広がる。[1]

飲み続けやすさ
English:drinkability
Français:buvabilité
日本語:飲みやすさ※部分対応
「飲みやすさ」は意味領域が重なるが、評価上の含意まで同じとは限らない。[16a][16b]

醸造とスタイル
English:low extraction
Français:infusion
日本語:抽出を抑えた
infusionは低抽出の単なる別名ではない。[13]

以下は、この五語の周囲を調べたときに出てきた、別の語です。

1 「塩味」と言えば同じなのか

saline / salin / 塩味

宮嶋勲は、あるヴェルメンティーノについて「生き生きとした酸、強い塩味、繊細なミネラルが魅力的」と書いています。[19]

英語圏の解説記事にも、salinityをmineralityの延長として語り、高い酸をもつ品種のフレッシュさや、唾液腺が反応する感覚と関係づけて説明するものがあります。[4a]

フランス語では、Gabriel Lepousezが問いの形で入っています。海水の塩味にはsaléと言うのに、ワインについてはsalinと言う。それはなぜか。そしてワインのsalinitéを、一つではなく複数のsalinitésがあるものとして説明しています。[4b]

三つとも、塩の比喩から出発しています。

しかし、「塩」の周囲に一緒に置かれているものが、それぞれ違います。ミネラリティ、フレッシュさ、唾液を促す感覚、複数形で語られる塩性。

saline ≈ salin ≈ 塩味

とそのまま置き換えると、この周囲がこぼれます。

見かけほどきれいな三言語対応ではありませんでした。

2 savouryは「旨味」ではない

savoury / sapide / 旨味

調べ始めたとき、savoury、sapide、「旨味」はかなり近い位置に置けるのではないかと思っていました。どれも、果実味だけでは言い表しにくい「味わい深さ」を指すように見えたからです。

ところが用例を並べると、三つはむしろ違う方向へ離れていきました。

Virginie BooneがあるPinot Noirについて書いたレビューでは、savoryとearthinessが、ベーキングスパイスや紅茶とともに置かれ、イチゴやチェリーという果実の風景と対置されています。[20]

Mathieu Doumengeがフロンサックの一本について書いた評では、sapideが香りの側ではなく、口中(la bouche)を評価する位置に現れています。[21]

そして、日本語の「旨味」はさらに違います。

『ワイン王国』のテイスティングコメントには、「アフターにブドウの旨味がしっかり感じられる」「アフターにブドウの旨味を感じる」という表現があります。[5]

日本ワイナリー協会が公開した2025年3月14日のワークショップ報告では、ソムリエの山本麻衣花の講演要約に、消費者がオレンジワインに対して持つ認識として「旨味があり滋味深い味わい」と記されています。[6]

少なくとも、これらの「旨味」を、味覚生理学でいう第五の基本味としてのumamiとそのまま同一視することはできません。「滋味深い」と隣接して使われる例まで含めると、ワインについての日本語では、味わい全体の深さや充実へ意味が広がって使われる場合がある、と読む余地があります。

ここでは、

savoury ≠ sapide ≠ 旨味

としておきます。

三つが無関係ということではありません。近いところを通りながら、何を中心に一つの経験としてまとめているのかが違う。一列に並ぶと思っていた三語が、用例を読むほど少しずつ離れていきました。

3 液体なのに、粒があり、噛める

mâche / grain / grippy

ワインは液体ですが、テイスティングの言葉では、しばしば固体のようになります。

英語ではgrippyやfine-grainedが、タンニンの量だけでは捉えきれない触覚的な質を表す語として使われています。日本語でも「グリップのあるタンニン」「きめ細かなタンニン」という用例があります。[22c][22d][22e]

フランス語でも、croquant、mâche、grainといった語が実際のテイスティングで近接して現れます。La Revue du vin de Franceはmâcheを、タンニンが豊富で、多くの物質を持つように感じられる「触覚的な知覚」と説明しています。[22a][22b]

英語のchewyも一部は近いのですが、タンニンや強い骨格、凝縮感と結びついて説明されます。[7]

日本語については、mâcheと同じ範囲を一語で覆う専門的な語を、今回は固定しませんでした。

ここで重要なのは、対応語がないことではありません。

「つかむ」
「粒が細かい」
「粉っぽい」
「噛める」

という固体の語彙で液体の質感を語ることが、ワインのテイスティングでは繰り返し起きています。

4 長いのか、伸びるのか、切れるのか

allonge / 伸び / キレ

この三つは、最初に考えていた対応関係を、調査の途中で修正しました。

当初、フランス語のallongeは、日本語の「伸び」に近いのではないかと思っていました。

しかしLa Revue du vin de Franceのワイン辞典では、allongeをpersistance aromatique en boucheの同義語になりうる表現として説明し、逆にpersistance aromatiqueの項目でも、この現象はallongeとも呼ばれるとしています。さらに2026年3月6日の解説記事も、persistance aromatique, appelée aussi allongeと明示しています。[8]

中心にあるのは、

どれだけ残るか。

です。

一方、日本語には、

「果実味と生き生きとした伸びのいい酸が調和し」[5]
「滑らかな口当たりで酸は伸びがあり、ミネラリーな後味」[9]

という用例があります。

用例を並べると、「伸び」は単なる持続時間よりも、酸や味わいが中盤から余韻へ向かってどう続いていくかという軌跡を前景化しているように見えます。

「キレ」はさらに別です。

『ワイン王国』には、2020年4月1日の記事で「キレのある口当たり」、2022年12月26日の記事で「アフターに現れるキレのいい酸味」「キレのある酸」という用例があります。[10a][10b]

単なる「短い余韻」ではありません。

ひとまず整理するなら、

allonge:どれだけ残るか
伸び:どう続いていくか
キレ:酸や口当たりがどう締まるか

となります。

allongeと「伸び」は同じではなく、「キレがある」は「余韻が短い」ではありません。似たような「時間」の言葉でも、時間のどこを切り取るかが違っています。

5 「透明感」はtransparencyなのか

transparency / transparence / 透明感

今度は日本語から考えてみます。

日本語ではワインについて、

「ピュアで透明感のある印象」
「後味には赤ワインならではの透明感」

という表現が実際に使われています。[11]

ここでいう「透明感」は、外観の透明性ではなく、味わい全体や後味の印象として使われています。

では、英語ではtransparencyなのでしょうか。

当初は、clarity、purity、precisionなどへほどいた方がよく、transparencyをそのまま対応させるのは難しいのではないかと考えていました。

しかし、用例を追うと、この見立ては修正する必要がありました。

Jancis Robinsonは2005年のSilvanerについてLovely transparencyと書き、2016年のMâcon-Pierreclosについてもwonderful excitement and transparencyと記しています。[11a] フランス語でも、2018年にMarc Hugelが、自分たちのワインを三つの形容で言うならtransparence, élégance et équilibreだと述べています。[11b]

つまり、

少なくとも三言語で、「透明」という比喩はワインへ移されている。

この対応そのものを、最初から退けることはできません。

ただし、同じ「透明」の比喩が三言語にあることと、三語が同じ範囲を切り出していることは別です。

今回確認した日本語の例では、「透明感」はワイン全体の印象や後味に付されています。英語とフランス語の例では、transparency / transparenceはワイン全体の質やスタイルを評価する語として置かれています。ここから三言語の意味境界まで確定するには、用例がまだ足りません。

したがって現段階で言えるのは、

三言語とも「透明」という視覚的な比喩をワインへ移すことができる。しかし、その語が何をひとまとまりとして評価しているかまで同じとは限らない。

というところまでです。

実際の会話で日本語の「透明感」を説明するときは、文脈によってtransparencyがそのまま使える場合もあれば、clarity、purity、precisionなどへほどいた方が伝わる場合もあるでしょう。

ここでも必要なのは、一対一の訳語を先に決めることではなく、その「透明感」が、そのワインの何について言われているのかを確かめることです。

6 曖昧な言葉にも、曖昧さの種類がある

reduction / reductive / funky

最初はreduction / reductiveとfunkyを、どちらも「意味の揺れるワイン語」の側に置いていました。

ところが調べてみると、揺れている場所そのものが違っていました。

JancisRobinson.comのテイスティング用語集は、reduction / reducedをワインの状態に、reductiveを酸素との接触を抑えた醸造方法や環境に使うべきだと区別します。[14]

しかし、実際の専門的な記事では、ワインそのものをreductiveと形容する例もあります。[24a]

日本語でも、「還元的に仕込む」という醸造側の表現と、「還元的な香り」「還元香」という感覚側の表現が確認できます。[24b][24c]

ここでは、醸造方法について話しているのか、ワインの状態について話しているのか、それともグラスから受けた感覚を便宜的にそう呼んでいるのか、その境界がずれています。

一方、funkyは別の意味で曖昧です。

Christina Pickardが2022年4月26日のW**e Enthusiastで複数の専門家に聞いたところ、funkyはBrett、barnyard、kombucha-like、cider-like、mousiness、あるいは単に果実味中心ではないwildなワインまで指しています。肯定にも否定にも使われます。[15]

こちらは、何について話しているのかという対象そのものが、すでに一つには定まりません。

reduction / reductiveでは、指している領域は比較的限定できても、そのなかで用法や評価が揺れる。funkyでは、何を指しているのか自体も、評価も揺れる。

同じ「曖昧な言葉」として括っていたものが、実は別の仕方で曖昧でした。

This w**e is funky. と言われたとき、必要なのは急いで一語へ訳すことではなく、まず「どのようなfunkyなのか」を確かめることなのだと思います。

7 digesteを「消化しやすい」と訳さない

digeste / 飲み疲れしない / moreish

第7回ではbuvabilitéを扱いました。

その近くに、digesteがあります。

辞書なら「消化しやすい」と訳せます。

しかしワインについて、

“This w**e is easy to digest.”

と言えば、胃腸やアルコール代謝の話に聞こえます。

今回確認した用例では、digesteはfluiditéやbuvabilitéと近接して現れています。[13] 少なくとも、この用例のdigesteを胃腸の消化についての字義的な記述として読む必要はなさそうです。ワイン全体の飲み心地を肯定的に評価する位置で使われています。

日本語の「飲み疲れしない」は、かなり近いところがあります。

『ワイン王国』では2022年3月14日、銀座レカンの近藤佑哉シェフソムリエが「きれいな酸が引き締めてくれるからこそ、飲み疲れしない」と説明しています。[17]

また、エノテカの2026年版ブラインドテイスティングでは、日本ソムリエ協会認定ソムリエ10名が評価する五項目の一つとして、

「飲み疲れしないか」

が置かれています。[18]

そして英語のmoreishになると、

もう一口欲しくなる

という欲望までが、ワインの形容に入ります。[23a]

日本語では、

「ついついグラスに手が伸びてしまいます」
「食事と合わせながらつい杯が進む1本です」

と、飲み手の行為で表す例が確認できます。[23b][23c]

近い経験を、

ワインの性質
身体への負担
欲望
行為

のどこに帰属させるかが、少しずつ違っています。

第7回で「もう一杯」がワインのどこにあるのかと考えました。

この資料で答えを出すつもりはありません。

ただ、三言語の言葉を並べてみると、何をワインの側へ置き、何を身体や行為の側へ置くのかも、同じではないことが見えてきます。

近い語、ずれる語、一語では移らない語

以下は正式な対訳表ではなく、今回確認した用例から作った比較上の整理です。

張り・関係
English:tension
Français:tension / tendu
日本語:緊張感/張り

噛めるようなフレッシュさ
English:crunchy
Français:croquant
日本語:一語対応なし

噛めるような物質感
English:chewy※部分対応
Français:mâche
日本語:一語対応なし

タンニンの粒度
English:fine-grained
Français:grain fin
日本語:きめ細かなタンニン

塩性的な感覚
English:saline
Français:salin
日本語:塩味※部分対応

非果実系の香味
English:savoury
Français:—
日本語:—

口中の味わいの充実
English:—
Français:sapide
日本語:—

滋味を含む味わいの深さ
English:—
Français:—
日本語:旨味

ミネラルをめぐる包括的表現
English:minerality
Français:minéralité
日本語:ミネラル感 [12a][12b][12c]

持続
English:length [14]
Français:allonge [8]
日本語:余韻

軌跡
English:—
Français:—
日本語:伸び

明瞭な収束
English:—
Français:—
日本語:キレ

透明性の比喩
English:transparency
Français:transparence
日本語:透明感 [11][11a][11b]

飲み続けやすさ
English:drinkability
Français:buvabilité
日本語:飲みやすさ※部分対応

身体的・感覚的負担の少なさ
English:一語対応を固定しない
Français:digeste
日本語:飲み疲れしない※部分対応

欲望・行為
English:moreish
Français:—
日本語:杯が進む/手が伸びる※部分対応

穏やかな抽出
English:low extraction※部分対応
Français:infusion
日本語:抽出を抑えた※部分対応

還元に関わる状態・表現
English:reduction / reductive
Français:réduction
日本語:還元的/還元香

曖昧な「wildさ」
English:funky
Français:一語対応を固定しない
日本語:ファンキー※借用

savoury、sapide、「旨味」を一行に並べなかったのは、第2節で見たとおり、三語が近い場所を通りながら別の方向を向いているためです。

用語集は、意味を記録しているのか

この資料を作りながら、何度か辞書と用語集を引きました。La Revue du vin de Franceのワイン辞典、JancisRobinson.comのテイスティング用語集。どちらも、語の意味を教えてくれる場所です。

ただ、第6節で引いた記述は、少し変わった形をしていました。JancisRobinson.comの用語集は、reductiveという語について、酸素との接触を抑えた醸造方法や環境を指すためだけに使うべきで、そのように造られたワインに対して使うべきではない、と書いています。[14]

「こう使われている」ではなく、「こう使うべきだ」。

そして、同じ媒体の専門的な記事のなかに、ワインそのものをreductiveと形容している例がありました。[24a]

J. L. Austinは、言葉には事実を述べる働きだけでなく、述べることによって何かを行う働きがあると論じました。[25] 「べきだ」と書くことは、その語がどう使われているかを記録する行為ではなく、これからどう使うかを定めようとする行為です。用語集がどちらをしているのかは、書かれた文の形からある程度読み取れます。

どちらが正しいかを、ここで決めるつもりはありません。用語集の定義と実際の用法がずれているとき、片方を誤用と呼ぶ前に、その定義がどういう文の形で書かれていたかを見ておくことはできる、というだけです。

これは、この資料そのものにも返ってきます。ここに並べた比較表も、語の意味を記録したものではありません。今回たまたま確認できた用例から、こういう見取り図が描けた、というところまでのものです。

「訳す」前に、「何を語っているか」を聞く

この資料を作ってみて、いちばん実用的だったのは、知らないワイン用語に出会ったとき、すぐに訳語を探さなくてもいいと分かったことです。

digesteを「消化しやすい」と訳さなくてもいい。

「透明感」をtransparencyと機械的に同一視しなくてもいい。

「伸び」に英単語一つを探さなくてもいい。

まず、

「それは、ワインの何を言っているのですか」

と考える。

一つの言語では一語になっている経験が、別の言語では一文になる。

別の言語では、二つや三つの性質に分かれる。

それは翻訳の失敗ではなく、ワインについて何を一つの経験としてまとめているのか、その境界が少し違っているということなのだと思います。

この資料は、第7回で残した「誰の身体なのか」という問いへの答えではありません。

その問いは、まだそのまま残しておきます。

ここではただ、同じワインを前にしていても、そのワインについて話すための切れ目は、英語、フランス語、日本語で完全には重ならない、というところまでを記録しておきたいと思います。

注・参照資料
[1] Jancis Robinson, “The evolving language of w**e,” JancisRobinson.com, 5 June 2021.
https://www.jancisrobinson.com/articles/evolving-language-w**e
Harold McGeeによる近年の評価語の抽象化についての観察を紹介し、Linear、Drive、Saline、Energetic、Preciseなどを当時の流行語として挙げる。Energeticは “A racy w**e with drive?” と疑問形で説明される。

[2a] Andrew Jefford, “Understanding tension in w**e,” Decanter, last updated 18 September 2018; republished online from the October 2018 issue of Decanter.
https://www.decanter.com/magazine/andrew-jefford-tension-in-w**e-400209/
tensionを高い酸度へ単純に還元せず、energy、precision、focusとの関係から論じる。

[2b] Mathieu Doumenge, “Primeurs : notre sélection en Fronsac et Canon-Fronsac,” Terre de Vins, 28 May 2021.
https://www.terredevins.com/degustation/primeurs-notre-selection-en-fronsac-et-canon-fronsac
Château La Rousselle(Fronsac)について、un vin incarné, doté d'une solide ossature, droit, tendu et salin と記述する。tenduがワイン全体の状態を形容する語として現れる実用例として使用する。

[2c] ワイン王国編集部「人気ワイン産地 西オーストラリア州のワインを知る」『ワイン王国』、2020年12月1日。
https://www.w**ekingdom.co.jp/_ct/17413428

[2d] ワイン王国編集部「品種のいろは vol.5『甲州』」『ワイン王国』、2022年11月29日。
https://www.w**ekingdom.co.jp/_ct/17588208

[3] Matt Kettmann, “What Does ‘Crunchy’ Mean in W**e?”, W**e Enthusiast, 30 March 2021.
https://www.w**eenthusiast.com/basics/crunchy-w**e-meaning/
Rajat Parr、Jackson Rohrbaughらへの聞き取りにより、crunchyに定式化された定義がないこと、果実の熟度・酸・タンニン・触感にまたがる用法を示す。

[4a] Amy Beth Wright, “What Does ‘Salinity’ Mean in W**e?”, W**e Enthusiast, 4 May 2021.
https://www.w**eenthusiast.com/basics/salinity-definition-meaning-w**e/
ワインのsalinityをmineralityの延長として語り、高い酸度をもつAssyrtiko、Vermentino、Muscadetなどのフレッシュさ、および唾液腺が反応する感覚との関係から論じる。

[4b] Gabriel Lepousez and Geoffrey Avé, “Qu'est-ce que la salinité dans le vin ?”, La Revue du vin de France, publication date not displayed, accessed 31 August 2026.
https://www.larvf.com/qu-est-ce-que-la-salinite-dans-le-vin%2C4781056.asp
Lepousezは、海水の塩味についてはsaléと言う一方、ワインではsalinと言うことから出発し、「一つのsalinitéではなく、複数のsalinitésがある」と説明する。本文1節の「単純な塩味一種類へ還元しない」という記述の直接根拠。

[5] ワイン王国編集部「品種のいろは Vol.4『ピノ・ノワール』」『ワイン王国』、2022年10月4日。
https://www.w**ekingdom.co.jp/_ct/17572675
テイスティングコメントに「アフターにブドウの旨味がしっかり感じられる」(コノスル ピノ・ノワール 20バレル)、「アフターにブドウの旨味を感じる。飲み疲れしないワイン」(ハーン ピノ・ノワール SLH)の用例がある。また「果実味と生き生きとした伸びのいい酸が調和し」(メルキュレ キュヴェ1395)という「伸び」の用例も併載する。

[6] 猪狩太基「『オレンジワイン』ワークショップ レポート」日本ワイナリー協会、2025年5月9日公開。ワークショップ開催:2025年3月14日(金)。
https://www.w**ery.or.jp/travel/16777/
リンク先レポートPDF:
https://www.w**ery.or.jp/cms/wp-content/uploads/2025/05/2deb472fe8166b8a3d03ddb691c8d772.pdf
PDF p.7「山本麻衣花氏 マンダリンオリエンタル東京 ソムリエ」の講演要約に、消費者がオレンジワインに対して持つ認識として「旨味があり滋味深い味わい」と記載。また日本のオレンジワインについて「特に滋味深さや旨味があり」と記す。

[7] Samantha Sette, “What Does ‘Chewy’ Mean in W**e?”, W**e Enthusiast, last updated 30 October 2023.
https://www.w**eenthusiast.com/basics/drinks-terms-defined/what-does-chewy-mean-in-w**e/
Chris Fladwood(Soter Vineyards)による、chewyなワインはovertly structured and/or concentratedであるという説明、および若いCabernet Sauvignonの豊富なタンニンを例とする記述を収録する。Andrea Vanni(Poggio Torselli)によるmeaty and thick consistencyという説明も併載する。

[8] Geoffrey Avé, “Pourquoi certains vins restent-ils si longtemps en bouche ?”, La Revue du vin de France, 6 March 2026, 18:30.
https://www.larvf.com/pourquoi-certains-vins-restent-ils-si-longtemps-en-bouche%2C4913293.asp
記事本文に、persistance aromatique, appelée aussi allongeとあり、ワインを飲み込む/吐き出すなどして口中から物理的に消えた後も香りが知覚される時間として説明する。
同誌のワイン辞典の「Allonge」(署名 Jérôme Baudouin)は、この語をpersistance aromatique en boucheの同義語になりうる表現として説明し、「Persistance aromatique」の項目も、この現象はallongeとも呼ばれると記す。両項目とも本文を確認したが、個別項目のURLは確定していないため記載しない。
なお同誌の用語解説記事[12b][22a]にも、公開状態で「Allonge — Synonyme de persistance」「Persistance aromatique — Synonyme d'allonge」の両項目があり、この相互参照は会員限定記事の外側でも確認できる。

[9] ワイン王国編集部「家飲みの正解!気軽に楽しむプロセッコDOC」『ワイン王国』、2022年10月19日。
https://www.w**ekingdom.co.jp/_ct/17576516

[10a] ワイン王国編集部「家飲みをもっと楽しもう! ソムリエが勧める『家飲みテクニック』でおこもりワイン生活」『ワイン王国』、2020年4月1日。
https://www.w**ekingdom.co.jp/_ct/17352653

[10b] ワイン王国編集部「品種のいろは 最終回『シャルドネ』」『ワイン王国』、2022年12月26日。
https://www.w**ekingdom.co.jp/_ct/17588264

[11] ワイン王国編集部「地元農家とともに創り上げる高品質ワイン『朝日町ワイン』(山形県)」『ワイン王国』、2025年12月9日。
https://www.w**ekingdom.co.jp/_ct/17807744

[11a] Jancis Robinsonによるtransparencyのワイン用例。

“Wittmann, Silvaner trocken ‘S’ 2004 Rheinhessen,” JancisRobinson.com, 11 October 2005.
https://www.jancisrobinson.com/articles/wittmann-silvaner-trocken-s-2004-rheinhessen
テイスティングノートにLovely transparency。

“Guffens-Heynen, Tri de Chavigne 2013 Mâcon-Pierreclos,” JancisRobinson.com, 8 April 2016.
https://www.jancisrobinson.com/articles/guffens-heynen-tri-de-chavign-2013-mcon-pierreclos
テイスティングノートにwonderful excitement and transparency。

[11b] Peggy Frey, “[Escapade Alsace] Hugel : l’âme du vin d’Alsace,” Terre de Vins, 11 December 2018.
https://www.terredevins.com/actualites/escapade-alsace-hugel-lame-du-vin-dalsace
Marc Hugelの発言として、ワインを三つの形容で言うならtransparence, élégance et équilibreと記す。

[12a] Stacy Briscoe, “What Does ‘Minerality’ Mean in W**e?”, W**e Enthusiast, 18 May 2021.
https://www.w**eenthusiast.com/basics/minerality-mean-w**e-term/
Evan Goldstein MSの発言として、mineralityには受け入れられた定義も、関連する特徴についての合意もなく、主に香りなのか味なのか口中感覚なのかについても一致がない、と記す。またタンニンの構造をastringent, grippy, fine-grained or coarseと表現する記述を含む。

[12b] La Rédaction de La RVF, “« Attaque », « minéralité », « oxydation »... : les mots pour bien décrire le vin,” La Revue du vin de France, 更新日 2026年6月12日 11:34(初出日は本文中に表示がなく未確認)。
https://www.larvf.com/attaque-mineralite-oxydation-les-mots-pour-bien-decrire-le-vin%2C4863576.asp

[12c] Toshio Matsuura, 「シャブリの老舗メゾンが追求するビオロジック・エレガンス――『メゾン・シモネ・フェブル』が描く、テロワールの純粋な表現」『ワイン王国』、2025年10月20日。
https://www.w**ekingdom.co.jp/_ct/17796953

[13] W***y Kiezer, “Berry-Althoff, la nouvelle vague dans le Gard,” Terre de Vins, 26 August 2025.
https://www.terredevins.com/actualites/berry-althoff-la-nouvelle-vague-dans-le-gard

[14] “W**e tasting terms,” JancisRobinson.com, publication date and individual author not displayed, accessed 31 August 2026.
https://www.jancisrobinson.com/learn/vocabulary/tasting-terms
同用語集はLengthを、ワインを飲み込んだ後も嗅覚領域と口中にテイスティング経験が持続することと説明する。またreductiveという語は、ワインと酸素の接触が最小化される醸造方法または環境を指すためだけに使うべきで、そのように造られたワインに対して使うべきではない、と明示し、reducedはワインの状態として説明する。

[15] Christina Pickard, “What Does ‘Funky’ Mean in W**e?”, W**e Enthusiast, 26 April 2022.
https://www.w**eenthusiast.com/basics/drinks-terms-defined/funky-w**e-tasting-term/
Rania Zayyat(Lift Collective)による、funkyはaromatic, unfamiliar and wild smellであり飲み手の好みによって快にも不快にもなるという説明、およびChristy Frank(Copake W**e Works)による、客がfunkyと言うときの対象がbrett、kombucha-ness、cider-y kick、mousiness、あるいは単に果実味中心でないものまで及びうるという説明を収録する。

[16a] Michel Sarrazin, “La buvabilité… Qu’entend-on par là ?”, Terre de Vins, 8 August 2024.
https://www.terredevins.com/degustation/la-buvabilite-quentend-on-par-la

[16b] エノテカ編集部「第71回 飲みやすさ」エノテカ「ワインの読み物」、2024年2月19日。
https://www.enoteca.co.jp/article/archives/20240219141311374/

[17] ワイン王国編集部「【新連載】品種のいろは VOL.1『カベルネ・ソーヴィニヨン』」『ワイン王国』、2022年3月14日。
https://www.w**ekingdom.co.jp/_ct/17516961

[18] エノテカ「【2026年】おすすめシャンパン5選【30銘柄から厳選】」、publication date and individual author not displayed, accessed 31 August 2026.
https://www.enoteca.co.jp/archives/detail/best-champagne/

[19] 宮嶋勲「宮嶋勲氏が紐解く『セッラ&モスカ』――サルデーニャの革命児が見せる地中海の景色」『ワイン王国』、2023年6月16日(記事末尾に text by Isao MIYAJIMA と明記)。
https://www.w**ekingdom.co.jp/_ct/17635609
“モンテオーロ” ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ・スペリオーレ 2021年について、「生き生きとした酸、強い塩味、繊細なミネラルが魅力的」と記述する。

[20] Virginie Boone, “Red Car 2019 Heaven and Earth Pinot Noir (Sonoma Coast),” W**e Enthusiast Buying Guide, issue date 1 October 2022.
https://www.w**eenthusiast.com/buying-guide/red-car-2019-heaven-and-earth-pinot-noir-sonoma-coast/
同レビューは The savory, earthiness is met by a nice sprinkling of baking spice and black tea, with a fruity landscape of strawberry and cherry と記述し、savory, earthinessをstrawberry、cherryなどの果実と対置しながら用いている。savouryの意味域を形式的に定義する資料ではなく、非果実系の香味を含む実際の用法の一例として使用する。

[21] Mathieu Doumenge, “Primeurs : notre sélection en Fronsac et Canon-Fronsac,” Terre de Vins, 28 May 2021.
https://www.terredevins.com/degustation/primeurs-notre-selection-en-fronsac-et-canon-fronsac
Château La Vieille Cure(Fronsac)について、La bouche est pleine et centrée, sapide, articulée autour d'un joli croquant et d'une fraîcheur saillante. と記述する。sapideが香りではなく口中(la bouche)の評価位置に現れる実用例として使用する。

[22a] La Rédaction de La RVF, “« Attaque », « minéralité », « oxydation »... : les mots pour bien décrire le vin,” La Revue du vin de France, 更新日 2026年6月12日 11:34(初出日は未確認)。
https://www.larvf.com/attaque-mineralite-oxydation-les-mots-pour-bien-decrire-le-vin%2C4863576.asp
同記事はmâcheを、タンニンが豊富で「多くのmatièreを持つ」ように感じられるperception tactileとして説明する。

[22b] Mathieu Doumenge, “Primeurs : notre sélection en Fronsac et Canon-Fronsac,” Terre de Vins, 28 May 2021.
https://www.terredevins.com/degustation/primeurs-notre-selection-en-fronsac-et-canon-fronsac
同記事のテイスティングコメントには、tanins grenus、texture finement crayeuse、trame crayeuse et poudrée、matière salivante など、タンニンや口中の物質感・触覚に関わる語が複数現れる。

[22c] Anne Krebiehl MW, “What are Tannins, Really?”, W**e Enthusiast, last updated 6 June 2023.
https://www.w**eenthusiast.com/culture/w**e/tannins-w**e-guide/
タンニンの「量」と「質」を区別し、質を語るtextureの語としてsilky、plush、velvetyを挙げ、心地よい量のタンニンをgrippyと呼ぶと説明する。
なおfine-grainedについては、[12a]のStacy Briscoe記事にEvan Goldstein MSの発言として、mineralityが口中感覚として現れる場合にタンニンの構造がastringent, grippy, fine-grained or coarseと表現される、という記述がある。

[22d] K. Shoda, 「アフェクテュス・ドウロ――お肉と一緒に楽しみたい、ポルトガルの辛口赤ワイン」エノテカ スタッフレビュー、2024年12月25日。
https://www.enoteca.co.jp/staff-review/detail/192542
「グリップのあるタンニン」の用例。

[22e] R. Sato, 「シャトー・ラ・グラーヴ――ワイン好きをくすぐる複雑なアロマ」エノテカ スタッフレビュー、2023年6月20日。
https://www.enoteca.co.jp/staff-review/detail/87010
「タンニンもきめ細かく」という用例。日本語のタンニンtextureの用例資料として使用する。

[23a] Julia Harding MW, “Chapoutier, Bila-Haut 2020 Côtes du Roussillon-Villages,” JancisRobinson.com, 21 October 2022.
https://www.jancisrobinson.com/articles/chapoutier-bila-haut-2020-cotes-du-roussillon-villages
I described the w**e as dark-fruited, lightly smoky/stony and extremely moreish, pure and deliciously fresh. という用例。

[23b] M. Kusano, 「ラインガウ リースリング・フォルラーツ――やさしい果実味に癒されたい日に」エノテカ スタッフレビュー、2026年3月19日。
https://www.enoteca.co.jp/staff-review/detail/326699
「ついついグラスに手が伸びてしまいます」という用例。

[23c] 入江豪「【プロ飲兵衛のワインのアテ】白ワインに合う、エビとセリの和え蕎麦」エノテカ「ワインの読み物」、2026年3月18日。
https://www.enoteca.co.jp/article/archives/20260303104441031/
「食事と合わせながらつい杯が進む1本です」という用例。

[24a] “Santorini – pure escapism,” JancisRobinson.com, republished 27 October 2022(初出は2020年10月と見られる)。
https://www.jancisrobinson.com/articles/santorini-pure-escapism
Gaia Thalassitis Submergedについて、Five years in an oxygen-protected environment creates an obviously reductive w**e, with the tell-tale aroma of struck matches と記述する。ワインそのものをreductiveと形容する用例として使用する。

[24b] 久野靖子「日本におけるソーヴィニヨン・ブランの現状」日本ワイナリー協会、2019年4月22日公開(ワークショップ開催:2019年3月11日)。
https://www.w**ery.or.jp/travel/10639/
「還元的な果汁」「還元的なもの」「還元臭」など、醸造操作と感覚的状態の双方に関わる用例を収録する。

[24c] R. Suzuki, 「コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ イノピア・ルージュ――数日かけて楽しみたい人見知りワイン」エノテカ スタッフレビュー、2022年5月20日。
https://www.enoteca.co.jp/staff-review/detail/43550
「少し還元的なツンとした香り」「還元香が減り」という感覚側の用例を収録する。

[25] J. L. Austin, How to Do Things with Words, ed. J. O. Urmson, Oxford University Press / Harvard University Press, 1962(1955年にハーヴァード大学で行われたWilliam James Lecturesにもとづく)。邦訳:J.L.オースティン著、坂本百大訳『言語と行為』大修館書店、1978年7月、383頁。
https://www.taishukan.co.jp/book/b196354.html
事実確認的発言と行為遂行的発言の区別、およびその区別自体の崩壊を論じる。本文では「述べることによって何かを行う働きがある」という一点のみを参照し、行為遂行的発言の分類には立ち入らない。

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