08/06/2026
地球温暖化の影響で、これまで比較的マイナーだった北の産地に注目が集まっていま す。ブルゴーニュであれば、グラン・オーセロワ、中でもヴェズレです。この地のパイオニアと言 えば、ドメーヌ・ド・ラ・カデットですが、カデットに続く新しいドメーヌはなかなか現れてきません でした。しかし、そのヴェズレにもやっと新しいナチュールのドメーヌが誕生しました。2022年1月にヴェズレの近郊イスランのコミューンにジャン・ポ-ル・パ ンドによって設立されたドメーヌ、ラ・ミュティヌです。
1987年生まれのパンドは、プロヴァンスの出身。学業を修めた後、レストランで働いてい て、そこでワインの魅力に取りつかれました。その後、プロヴァンスのドメーヌ・アンリ・ミラン、ボ ルドーのシャトー・レ・カルム・オー・ブリオン、シャトー・ジスクール、ムルソーのルーロ、同じヴェ ウズレのドメーヌ・ド・ラ・カデットで働き、グラン・ヴァンからナチュールまで、多種多様なワイン 造りを学びました。そんなジャン・ポ-ルはブルゴーニュワインが大好きでヴェズレ地区に移住。 畑を取得して自身のドメーヌを興したのです。初ヴィンテージは2022年。2023年末のリ リースと同時にヨーロッパで人気が爆発しました。弊社は2024年の6月にドメーヌを訪問 し、2022ヴィンテージの最後のアロケーションを確保しました。現在のドメーヌの栽培面積は2.5haで、ピノ・ノワール(1.2ha)、シャルドネ(0.8ha)、ムロン・ド・ブルゴーニュ (0.4ha)の3品種を栽培しています。
畑は、シャン・カデのリューディのシャルドネの区画と、ムロン・ド・ブルゴーニュの区画が自社所有の畑で、その他の区画は借りている畑です。地質は粘土石灰質。栽培はビオロジックで、 ルーロで学んだビオディナミの手法も導入しています。醸造に関しては、オーセンティックであ りながら、可能な限りシンプルで介入の少ないナチュラルな醸造を目指しています。ブドウは 完熟を待って手摘みで収穫され、その場で厳格に選果されて、小さな籠で醸造所に運ば れます。発酵は野生酵母で自発的に行われます。もちろん醸造添加物は使わず、無清 澄・無濾過で瓶詰めされます。亜硫酸に関しては、ボトリング後のネガティブな反応を避け るために、瓶詰め時に限り必要最小限のみ添加しています。現在のドメーヌの総生産量 は約8800本。そのうちの半分がピノ・ノワールです。
ドメーヌ名の『ラ・ミュティヌ』とは、フランス語で「反逆者」という意味です。訪 問の際に、「なぜこの名前をつけたの?」と聞いたところ、「僕の家は妻と 2 人の娘がいて、 家庭の中で男は僕一人。女性達に囲まれているんだよ。だから、この名前をつけたのさ。」 と、なんとも意味深な返事が返ってきました。家庭の中の反逆者(笑)だということでしょう か?あえてツッコミの質問はしませんでした。
こちらは、ヴェズレで最も有名なリューディのブドウから造られたリューディ・キュヴェ。
栽培面積0.60ha、平均樹齢30年、粘土石灰質土壌で育ったシャルドネを手摘みで収穫、除梗せずダイレクト・プレス。ステンレスタンクで野生酵母でアルコール醗酵。その後、引き続きタンクで自発的なマロ醗酵と熟成。無清澄・無濾過で瓶詰め。SO2は瓶詰め時に必要最小限のみ添加。
2023年の収穫日は9月4〜5日。総生産量:2,000本。
エチケットは、フランス人アーティストのジョフロワ・ピトンがデザインしたものです。
程良い粘度のある液体は少しオイリーでナッツの味わい、硬い熟れる前の白桃の果実にミネラル由来の旨みもあり伸びの良い酸が印象的。余韻にほんのり可愛らしい甘味が残ります。
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